プレイ中に見かけた「うまいな、この人」という攻撃の技や、操作ミスから偶然発見した新技まで、長くプレイをしていると多くの学びがある。これらが累積され、プレイの質は上がって行く。ランクやウデマエが大幅に違うと、攻撃力も防御力も圧倒的に差が出る。
「大博打」での企業再生は夢物語
一世を風靡した任天堂の業績が低迷してから久しい。
最盛期だった2009年3月期には1兆8000億円超の年商があり、経常利益も4500億円近くあった。その頃の任天堂は経営学者たちに様々な視点から分析され、ベストセラーになっている『ブルー・オーシャン戦略(※5)』でも取り上げられている。
ブルー・オーシャン戦略(※5)
INSEAD(フランスのビジネススクール)のキム教授とモボルニュ教授が提唱した競争戦略の理論。そのメッセージは「混み合う赤い海ではなく、広々として青い意味を目指せ!」「Create. don't compete(創造せよ、競争するのではなく)」。
ここで定義するブルー・オーシャンとは何か? 要は、製品やサービスの領域を再構築して、新しいカテゴリーを作り出すということだ。新しいビジネスモデルで市場を席巻していく企業は、既存のライバルと競争するのではなく、まったく別の切り口で顧客に価値を提供するという発想をしていることが多い。
しかし、2014年3月期以降は年商6000億円を割り込み、経常利益も100億円を切っている。ポケモンGOが業績に貢献するのでは?と期待した諸兄も、実際の利益インパクトを知って溜息をついたかもしれない(「スーパーマリオラン」はかなり期待が持てそうだが…)。
本業以外で新たに売り上げの柱を作るのは大変なこと。事業をやっていてれば簡単に想像がつく。モンスターストライクで突如ゲーム会社に生まれ変わったミクシィ(mixi)のようなケースもあるが、これは会社の存続を賭けて大博打を打ったような話だ。
任天堂は、今でもゲーム機器で2600億円超、ソフトで2300億円の売り上げがある。これを捨て、スマホゲームの開発会社に変身するのは現実的ではない。調子の上がらないピッチャーが、サッカーチームに移籍して得点王を目指すようなもの。単なる夢物語だ。
まずは本業で復活の足掛かりを模索する。これが戦略の基本。テクノロジーの進化にキャッチアップし、自社の強みを生かして事業や製品の再構築を繰り返し続ける。任天堂がスプラトゥーンで行ったのは、まさにこれに他ならない。この成功が、次の飛躍に向けたヒントを与えてくれる筈だ。
iPhoneとマリオのコラボなど、スマホ対応による新たな事業ドメイン構築は、実際やってみてなんぼの世界。不確定要素が多く成功の確度は読めない補助的な戦略だ。もしも当たればラッキー、ぐらいの戦略オプションだ。
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