睡眠不足で8年後の死亡率が2倍以上に

 寝すぎも良くないが、睡眠不足がそれ以上にいけないのは言うまでもないだろう。

 多くのビジネスパーソンが自覚しているように、睡眠不足が続くとミスが多くなる。的確な判断も難しくなるし、作業のスピードも落ちて、仕事のパフォーマンスが下がってしまう。

 それだけならまだしも、健康にも悪影響を及ぼす。「うつ病になりやすくなるし、高血圧や糖尿病のリスクも高くなる。4時間睡眠を4日続けると、食後血糖値が高くなったという報告があります」と内山主任教授。

 その結果、死亡率も高くなる。4419人の日本人男性を対象にした自治医科大学の調査によると、睡眠時間が6時間以下の人は7~8時間の人に比べて8年後の死亡率が2.4倍高くなっていた(J Epidemiol. 2004 jul;14(4):124-8)。

 多少の個人差はあるが、「成人にとって最適な睡眠時間は6時間から8時間。これは人種や時代が違っても変わりません」と内山主任教授は話す。

睡眠不足を自覚するポイントは?

 それでは、睡眠不足を見分けるポイントは何だろう? 朝は誰でも眠いもの。目覚まし時計がなくても毎朝すっきり起きられるという人は少数派だ。

 最も分かりやすい睡眠不足の自覚症状は、「昼食後、午後早い時間帯の強い眠気です」と内山主任教授。この時間帯は、食事を取った影響というより、むしろ生体リズムとして、十分な睡眠を取っていても眠気を感じるようにできている。多くの野生動物はまとめて寝る習慣がなく1日の中で数回に分けて眠るが、人間も近代までは1日数回に分けて眠る習慣を持っていた。その名残と考えられている。

 こうした昼食後の眠気を解消する手っ取り早い方法は、15~20分の仮眠(昼寝)を取ることだ。「仮眠によって頭がスッキリと回復するのであれば、夜の睡眠が足りていると考えて良いでしょう」と内山主任教授。仮眠の前にコーヒーを飲むと、さらに眠気を抑えられたという実験もある(Clinical Neurophysiology 114. 2268-2278.2003)。だが、それでも眠気が収まらず、会議で居眠りしてしまうなど、耐えがたいほど強い眠気を感じたら睡眠不足を疑うべきだ。早くベッドに入ることを心がけ、睡眠の不足分を補う必要がある。