わずか1分の仮眠にも効果はある

 夜の睡眠時間が短く、パワー・ナップやミニ・ナップで補えないときは「さらにマイクロ・ナップをプラスしていく。これは1分間の仮眠です」と坪田副院長は続ける。

 わずか1分の仮眠なんて意味があるのだろうか? そもそも1分ではウトウトすらできない気もするが、坪田副院長は「1分間目を閉じるだけでも意味がある」という。

 「情報の8割は目から入ってくる。1分間目を閉じるだけでも、想像以上に脳は休息を取れます。実際、スッキリした、眠気が取れた、という人が多い。できれば眠くなる前、会議など大事な仕事の前に取っておくといいでしょう」(坪田副院長)

 静かに1分間座っていられるなら場所はどこでもいい。ウトウトできなくても、1分間力を抜き、目を閉じているだけでも意味があるのだ。睡眠不足でつらい日は、パワー・ナップを取った上、マイクロ・ナップを繰り返して乗り切ろう。

 このほか、数日の睡眠不足が続いたときは、週末にしっかり補っておく。これがホリデー・ナップだ。

 「極端に起床時刻を遅くすると体内時計が狂ってしまうので、朝寝坊はせいぜい普段より2時間プラスするくらいまで。それでも眠いときは昼寝をしてください。休日の仮眠は普通に横になって、1時間半くらい寝ても構いません」(坪田副院長)

 1時間半眠るとレム睡眠とノンレム睡眠を取れて、自然に目が覚めやすい。ただし、時間は12時から15時の間に。それより遅い時間帯に眠ると、夜の睡眠に悪影響が出てくる。

 以上、4種類の仮眠を時間順にまとめておこう。

1. マイクロ・ナップ(1分間)

 デスクでもトイレの中でも、1分間静かに座っていられる場所ならどこでも行える。眠気が強いときだけでなく、眠気の予防や気分転換にも役立つ。夜の睡眠に影響するほどの作用はないので、時間帯や回数を気にせず、1日何回やってもいい。

2. ミニ・ナップ(10分程度)

 昼食後から午後3時の間に取る。パワー・ナップを取る余裕がないときに行う。9分以上の仮眠によって、脳の疲れが取れて作業効率が向上する効果が確認されている。

3. パワー・ナップ(15~25分程度)

 欧米でも広く推奨されている基本となる仮眠。昼食後から午後3時の間に、静かな場所で約20分眠る。ただし深く眠ってしまうと寝覚めが悪くなり、その後の仕事や夜の睡眠に悪影響が出てしまう。横にはならず、30分以上眠らないように注意しよう。

4. ホリデー・ナップ(30分~1時間半)

 日頃の慢性的な睡眠不足を解消するため、休日にしっかり仮眠を取る。起床時刻を大きくずらすのはNGだ。体内時計が狂い、月曜以降にうまく眠れなくなる。正午から午後3時までの間、横になって30分から1時間半ほど眠る。

 睡眠不足は生活習慣病やうつ病のリスクを高め、最終的には命にかかわる。もちろん、毎晩しっかり睡眠時間を確保できればベストだが、なかなかそうはいかないのが厳しい現実。うまく仮眠を取って、睡眠不足を補ってほしい。

坪田聡(つぼた さとる)さん
雨晴(あまはらし)クリニック 副院長
坪田聡(つぼた さとる)さん 1963年生まれ。2008年より現職。All Aboutで睡眠・快眠ガイドを担当する。医師とビジネス・コーチの顔を持ち、睡眠の質を向上させるための指導を行う。著書に『専門医が教える毎日ぐっすり眠れる5つの習慣』(三笠書房)、『脳も体も冴えわたる1分仮眠法』(大和書房)など。