4. いびきをかく人は横向きに寝よう

 睡眠中、寝汗とともに梶本さんが問題にするのは“いびき”だ。

 いびきの原因は舌の根元が落ち込んで気道が狭くなること。ひどくなると気道がふさがって呼吸が止まる。最近よく聞くSAS(睡眠時無呼吸症候群)とは、「10秒以上の呼吸停止が一晩に30回以上、または1時間に5回以上ある」状態。苦しくなれば自然に呼吸を再開するが、当然睡眠は浅くなり、長時間眠っても眠気が取れなくなってしまう。

 SASまでいかなくても、いびきはそれ自体が睡眠の質を悪くする。気道が狭くなるので十分な酸素を取り入れられない。「それをカバーするため心拍や血圧を上げなければならず、自律神経の負担が増える」(梶本さん)ためだ。

 いびきを抑えるのに有効な方法として、梶本さんは「横向きに寝る」ことを勧める。横向きになると舌の根元が落ち込まないので気道がふさがりにくい。完全に治らなくても、ほとんどの人はいびきが小さくなるという。

 「横向きに寝るには高い枕を使うこと。低いと横向きになりにくく、どうしても仰向けになってしまう」(梶本さん)

 いびきが気になる人は、一度「簡易型PSG検査」を受けてみるといいだろう。睡眠時の無呼吸や睡眠の質を調べる検査で、全国の睡眠障害を扱うクリニックで受けられる。料金は保険が適用されて3000円程度だ。

 いびきの治療には、CPAP(シーパップ:経鼻的持続陽圧呼吸療法)がいい。睡眠中に外から空気を送ることで気道を開く医療器具を使う治療法だ。いびきに悩み、慢性的に疲労を感じる男性35人が3日間CPAPのマスクを装着した結果、85%の人が疲労回復効果を感じたという(下グラフ)。1ヵ月の料金は重症のSASと診断されると保険適用で約5000円。重症でない場合は、自費負担で、1万2000円程度になる。

CPAPで85%の人に疲労回復効果が認められた
(データ提供:東京疲労・睡眠クリニック)
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