1日の中で、いつ運動すればいいのか?

 習慣化するに当たっては、運動する時間帯を決めることが重要だ。寝る前に歯を磨くように、1日の中で運動する時間を決めたほうが続きやすい。では、いつ運動するのがいいのだろう?

 理屈からは夕方から夜に運動するのがベストだ。

 外の気温と関係なく、脳や内臓の深部体温が最も高くなるのは起床してから11時間後。朝7時に起きていれば夕方18時頃ということになる。この前後の時間帯に運動すると、さらに体温が上がり、ベッドに入ったときの深部体温の下がり方が大きくなることで眠りやすくなる。(本連載の過去記事を参照)

 ただし、寝る直前の運動は、交感神経が刺激されて目がさえてしまうので良くないという指摘も聞いたことがある。それについて内田院長に聞いてみた。

 「運動に最適な時間帯は人それぞれで、一概には言えません。寝る前に腹筋運動をする習慣があり、よく眠れるという人もいます。一方、起床直後の運動は体温が低いのでケガをしやすい面もありますが、覚醒度が高まって午前中からバリバリ仕事ができるというメリットもあります。人には朝型、夜型といった体質の違いがあるので、時間にはあまり神経質にならず、まずは自分がやりやすいときに運動すればいいでしょう」。

 運動はできれば毎日、少なくとも週3日以上は行いたい。先に触れたように、時間が取れない人は通勤時に片道15分のウォーキングをする程度でも構わない。「エレベーターやエスカレーターをやめて、なるべく階段を使うなど、日常生活の中でも運動を心がけることが大切。それだけでも睡眠の質が向上します。一段飛ばしで階段を登れば筋トレ効果もあります」と内田院長はアドバイスする。

内田直(うちだ すなお)さん
すなおクリニック 院長
内田直(うちだ すなお)さん 1956年生まれ。滋賀医科大学医学部卒業。カリフォルニア大学ディビス校精神科客員研究員、東京都精神医学総合研究所睡眠障害研究部門長などを経て、2003年に早稲田大学スポーツ科学学術院教授に就任。2016年より現職。早稲田大学名誉教授。日本スポーツ精神医学会理事長。著書に『スポーツカウンセリング入門』(講談社)、『安眠の科学』(日刊工業新聞社)など。