タクシードライバーの「できる人」の快眠スキル

タクシードライバーは深夜まで勤務が続き、生活が夜型になりやすい。(©PITI TANTAWEEVONGS-123RF)

1. 起床時刻をそろえる

 タクシードライバーは深夜まで働くことが多く、どうしても朝が遅くなりがちだ。しかしBさんは早起き。毎日7時に起床し、家族とともに朝食をとっている。帰宅が遅くなるBさんが「1日1回は家族と一緒に食事をしたい」と思って始めた方法だが、これが菅原メソッドの「起床時刻を一定に」「起床後4時間以内に光を見る」に当てはまっている。

 毎日同じ時刻に光を見ることでメラトニンの分泌リズムが整い、一定の時刻に眠気が訪れるようになる。睡眠リズムを整えるには、起床時刻を一定にするのが一番の基本だ。

2. 1日2食で朝食をたくさん食べる

 「朝型のリズムを作るには、夕食から朝食までの絶食時間を長くして、朝食をしっかり食べるのがいいんです」と菅原さん。Bさんは家族とともに食べる朝食を1日の食事のメインとしており、昼食は遅めに食べて夕食はとらない1日2食を続けているという。体を動かすことが少ない職種なので、カロリーオーバーを防ぐ効果もある。

3. 遅い昼食の後は短時間の仮眠

 朝食をがっつり食べる上、夕食をとらない1日2食ということもあり、Bさんの昼食は午後1時頃と遅め。その後、20分ほどの仮眠を取ることが習慣になっている。これは菅原メソッドの「起床後6時間経ったら仮眠」に当てはまる。起床後8時間経つとやって来る昼の睡魔を防ぐ意味もあるし、夜の睡眠時間を補う効果もある。

4. 夕方に軽く運動

 タクシードライバーにとって夜は最も忙しい時間帯。その前の夕方に、車から出て軽いウォーキングをしておくのもBさんの日課だ。これは菅原メソッドの「起床後11時間経ったら体を動かす」と一致する。起床の11時間後は体温が最も高くなる時間帯。「このタイミングで運動すると、さらに体温が上がり、夜の就寝時にはスムーズに体温が下がりやすい」と菅原さん。体温の落差が大きいほど、夜は寝付きが良くなる。座りっぱなしの仕事なので、意識して体を動かすことは大切だ。

      ◇          ◇          ◇

 以上のように、睡眠リズムが乱れやすい職業の人でも、リズムを安定させる工夫はある。ポイントは「起床時刻をそろえる」「起きたら光を見る」「睡眠時間が短ければ昼に仮眠を取る」「夕方に体を動かす」「残業が続いたときも就寝時刻を遅くずらさないようにする」など。ぜひ参考にして、忙しい毎日を乗り切ってほしい。

菅原洋平(すがわら ようへい)さん
ユークロニア社長、作業療法士、睡眠健康指導士
菅原洋平(すがわら ようへい)さん 1978年生まれ。国際医療福祉大学卒業。国立病院機構静岡てんかん・神経医療センター勤務などを経て、2012年より現職。様々な企業で「睡眠マネジメント研修」を行いながら、ベスリクリニック(東京都千代田区)で「睡眠外来」を担当。著書に『あなたの人生を変える睡眠の法則』(自由国民社)、『「寝たりない」がなくなる本』(王様文庫)など。