痛めてしまったときのエクササイズ

 こうした予防を心掛けていても、ぎっくり腰になってしまったときはどうしたらいいのだろうか。整形外科などを受診すると貼り薬や飲み薬を処方され、しばらく安静にするように告げられる。ただ、これは 安静にすることで早く治るからではなく、動かすと痛いからである。仲野院長は「痛みがあっても歩けるようなら、歩いたり軽いエクササイズをするなど、運動療法を始めた方が回復が早くなる」とアドバイスする。

 ぎっくり腰の回復に役立つエクササイズとして主に知られているのが、下図の2つの方法だ。「片膝かかえ」や「両膝かかえ」といったエクササイズだが、両方を試してみて痛みがより和らぐほうを行う。「片膝かかえ」の場合は、抱えないほうの脚を少し曲げると楽になることが多い。

急性腰痛のタイプによっては効果のある軽いエクササイズ
(D)片膝かかえ。(E)両膝抱え。両方を試してみて痛みがより和らぐほうを行う。

 また、ぎっくり腰の痛みがあるとき、腰は冷やした方がいいのだろうか。逆に温めた方がいいのだろうか。仲野院長は「腰に手を当てたくないほど痛みが強いときは、冷やした方がいいが、手でさすったりして気持ちがよいときは温めた方がいい」とアドバイスする。

 こうしたケアを行ううちに痛みは少しずつ軽減していくが、次のような場合は整形外科などで相談することを勧めている。

・横になって安静にしていてもズキズキと痛む
・しびれなどの知覚異常がある
・つま先立ちができない
・1カ月以上痛みが続いている

 座っている時間の長いオフィスワーカーは、体幹のバランスが悪くなっていることが多い。ぎっくり腰は、いわばそのイエローカードだ。痛みに対処するだけでなく、これを機に自分の「体の使い方」を見直すことが大切だ。

仲野孝明(なかの たかあき)さん
仲野整體東京青山 院長、姿勢治療家
仲野孝明(なかの たかあき)さん 1973年三重県生まれ。大正15年に創業し、二度の藍綬褒章を受章した仲野整體の4代目に生まれ、自身もこれまで15万人以上の患者を治療する。柔道整復師認定スポーツトレーナー。介護予防運動指導員。姿勢関連の著書に、『9割の体調不良は姿勢でよくなる』(KADOKAWA/中経出版)、『長く健康でいたければ、「背伸び」をしなさい』(サンマーク出版)がある。ホームページはこちら