まだまだ男盛りの中高年に容赦なく襲いかかる体の悩み。医者に相談する勇気も出ずに、1人でもんもんと悩む人も多いことだろう。そんな人に言えない男のお悩みの数々を著名な医師に尋ね、その原因と対処法をコミカルで分かりやすく解き明かす。楽しく学んで、若かりし日の輝いていた自分を取り戻そう。

工作機械メーカーで働く45歳。じつは、まだ独身である。そんなオレの、いちばんのお悩みは、最近トイレが近くなったこと。デートの映画では、ラストの一番いいシーンで「ごめんトイレ」と小声で退席してしまう。ドライブも好きなのだが、渋滞にはまると「いつトイレ行けるのか」とドキドキしてしまう。そして、デート以上に深刻なのは仕事だ。先日も、取引先とのプレゼン。何とか自分が話すときまではこらえたが、最終スライドを終了したとたんにトイレへ駆け込み、大恥をかいてしまった。どうしたらおしっこの間隔を延ばしたり、我慢できるようになるのだろうか。
(イラスト:川崎タカオ)
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 こうした頻尿のお悩みについて、日本大学板橋病院泌尿器科の高橋悟主任教授は「中高年以降の頻尿は、前立腺の肥大が関与していることが多い」と解説する。

 前立腺は、膀胱の下で尿道を包むように存在する臓器。若いうちは精液の構成成分である前立腺液を分泌するなどの働きをしている。加齢によりその役割を失ったとき、前立腺は萎縮か肥大の道をたどることになるが、食生活の欧米化が進んだ日本では、ほとんどの人の前立腺が肥大するようになった。「肥満になると、前立腺肥大症が発生、進行しやすくなることを示すデータがある」(高橋主任教授)という。組織学的に調べた前立腺肥大は、30代から始まり、50代で30%、60代で60%、80代では90%に見られる。

前立腺肥大を起こすと尿道が圧迫される
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