自助グループなどでのミーティングが基本

 もし、自分や家族がギャンブル依存症の可能性があると感じたとき、例えば「GAによる20の質問」で問題の見つかった人は、どこに相談すればいいのだろうか。

 最近では、各地の精神神経科などが依存症外来を設けている。まずは、そこで相談してみるといいだろう。しかし、特効薬的な薬剤があるわけではなく、医師のカウンセリングなどを主体とした認知行動療法などを行うことになり、回復までには時間がかる。田中代表は「この地道な回復過程で効果的なのがグループセラピーだ」と解説する。同じ経験を持つ人たちとのミーティングを重ねていくというもので、前述のGAもこうした自助グループの一つだ。

 回復のための最初のステップは「自分の力ではギャンブルを止められないのだ」としっかり認識することだという。「ギャンブルを止められない」という状態は、一般の人には理解しがたいものだが、それは当事者も一緒だ。止めようと思えば止められるつもりでいるので、その意識をまず改める必要がある。

 そして、同じ経験を持つ人たちとミーティングを続けるうちに、自分では止められなくなっていった状態を初めて客観的に理解できるのだ。そして、「では、どのようにして止める?」「同じ依存症のメンバーと一緒にやれることは?」と一つひとつ前向きに考え、その次の段階として回復プログラムに取り組めるのだ。

 田中代表は「これまでギャンブル依存症というと男性の病気であったが、近年は女性の患者も増える傾向にある」と話す。また、子供たちにもネット依存が広まるなど、依存症には新しい問題が登場している。パチンコ、競馬からFXまで、「依存症大国」となってしまったニッポン。ギャンブル依存症に対する正しい知識を家族で共有することが大切といえるだろう。

田中紀子(たなか のりこ)さん
ギャンブル依存症問題を考える会 代表
田中紀子(たなか のりこ)さん 1990年、国立大学附属病院秘書。2001年、弁護士事務所秘書。2004年よりギャンブル依存症問題に関わり、2010年依存症治療施設のカウンセラーとなる。主に依存症者を家族に持つ家庭の家族支援に関わる。2014年2月、ギャンブル依存症問題を考える会の代表に就任。関連著書に『ギャンブル依存症』(角川新書)があり、厚生労働省主催の「依存症への理解を深めるためのシンポジウム」など、各地で講演活動を行っている。