妻が母親に見えてしまう

 これまでたくさんの性嫌悪症を診てきた阿部院長は、日本人男性の性嫌悪症には、大きく分けて5つのタイプがあるという。

(1)母と息子の関係に変化
(2)兄と妹、姉と弟の関係に変化
(3)親友関係に変化
(4)マスコット的関係に変化
(5)嫌いになった

 阿部院長は、このなかで最も多いタイプが(1)だという。母子のような関係とはいえ、妻が年上であるとは限らない。妻から母親のように小言を言われたり、妻が自分の母親に似ていたりして、夫婦関係のあり方が、男女関係ではなく母子関係のイメージになってしまう。そのような母親のイメージを持った妻に近寄られると、近親姦のイメージができてしまい性交渉どころではなくなるのだ。

 同じことは(2)でも言える。(3)の場合は親しすぎて、セックスのことを言い出すのが気恥ずかしいというものだ。

 そして「(4)は妻がかわいくて仕方ない。頬にキスしたり、頭をなでまわしたりと、目に入れても痛くないような可愛がり方をする。そういう妻から性的に誘われると嫌悪感を抱いてしまう」と阿部院長は話す。そして、(1)から(4)に関しては、セックス以外ではとても仲が良いのが特徴だ。

 (5)は、きっかけがはっきりと特定できるのが特徴だ。共同生活をするようになり、化粧をする姿を見たり、あぐらをかいて座る、いびきをかくといった些細なことから、もう少し踏み込んだ性格的なことまで「嫌い」という感情が生まれてセックスができなくなってしまうというものである。

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