軽度の場合は薬物治療も有効

 間質性膀胱炎の治療は「膀胱水圧拡張」と「薬物療法」が中心だ。水圧拡張というのは、萎縮した膀胱に水圧をかけて拡張する治療法。治療のほか間質性膀胱炎の診断に用いられることもある。具体的には、麻酔をかけた膀胱に水を入れて膨らませるが、このとき膀胱鏡で観察すると著明な点状出血が起こり、水を抜くときに「さみだれ状出血」が起こる。高橋さんは「水圧拡張を行うと、一時的に症状が悪化することがあるが、その後は膀胱が広がり、おしっこを溜められるようになる」と話す。ただし、効果は長続きせず、半年から1年後に再び水圧拡張を必要とする場合もある。

 薬物治療は、抗うつ薬、抗ヒスタミン剤などが使われてきたが、最近、抗アレルギー剤の一種である「トシル酸スプラタスト」という薬が有効であることが分かってきた。高橋さんは「私たちの治療経験では、患者の7割程度に有効。特に軽症の人にはよく効いて、水圧拡張を行わない場合もある」と話す。

 このほか、薬物治療のなかには膀胱内注入療法といって、抗凝固剤であるヘパリンや局所麻酔薬である塩酸リドカインを膀胱内に注入することもあるが、治療効果も持続期間もそれほど大きいものではなく、水圧拡張の補助的な治療として使われる。

刺激物やカリウムを多く含む食品で悪化

 間質性膀胱炎は、現在の治療法では完治は難しい。症状を緩和させるための治療と考えたほうがいいだろう。しかし、「原因がはっきりし、不安が解消すると、痛みも和らぐことが多い」と高橋さん。薬物治療や水圧拡張を行うとともに、生活改善を行いながら病気と上手につき合っていくことが大切だ。

 例えば、食事では辛いものなど刺激物、コーヒーなどカフェインを含むもの、赤ワイン、大豆など神経伝達物質を含むもの、果物や野菜などカリウムを多く含む食品は症状を悪化させる。かつては間質性膀胱炎の患者に対して厳しい食事制限が行われたこともあるが、食事の影響は個人差が大きい。現在は、「自分の食事内容によく注意して、症状を悪化させるものがあれば避けるようにすればいい」(高橋さん)とされている。

 より積極的な生活改善としては「膀胱訓練」があり、臨床研究において有効であることが分かってきた。これは、いわば自分自身でできる水圧拡張と言ってもいい。これは、排尿間隔の目標を決め、それより前にトイレに行きたいと思ったらほんの少し我慢してみることで、排尿の間隔を延ばしていくというもの。排尿日誌をつけながら行うと効果的だ。