レッスン3(抑揚):メリハリを付けることで伝わりやすく

 どんなに美声で滑舌よく話せたとしても、棒読みでは何を言っているかが分かりにくい。話し上手の人は、言葉の発音に抑揚を上手につけ、大事なことが相手の頭に入るようにしている。

 言葉の抑揚には、さまざまなものがある。例えば、重要な言葉を発するとき、声を高くしたり、大きな声で話したり、ゆっくり話したり、逆に早口で話したりすることで、相手に話し手の意図が伝わるのだ。プロの話し手にかかると、こうしたリズムが音楽のように心地よく相手の耳に届くとともに、大事なことはしっかりと伝わっている。

 これは演技力やセンスではなく、魚住さんは「あくまでも国語力」だという。話し言葉には名詞、数字、接続詞などが含まれるが、重要な言葉はどれか、そうでない言葉は何か、仕分けができていく。それに併せて抑揚を付加していけば、自然とリズムよく話せるようになるという。

 なお、話の抑揚は自分のイメージづくりとも関係している。話し方を変えるとどのようなイメージになるかを魚住さんがまとめた。

●「高い声×ゆっくり」話すと、やさしくおおらかな印象になる
●「高い声×速く」話すと、元気で明るい印象になる
●「低い声×ゆっくり」話すと、落ち着いた印象になる
●「低い声×速く」話すと、仕事ができる印象になる

話し方のクセを知ろう

 ここまで話し方を改善するためのポイントを紹介してきた。ただ、話し方には、たくさんのスキルがあり、より本格的な話術を取得したいなら、各種教材を参考にしたり、話し方セミナーなどに参加するのもいいだろう。

 魚住さんは「どんなときも大切なことは、相手の立場で話すこと。話すことは思いやりである」と話す。これまでの自分の話し方のリズムを一度見つめ直して、相手に本当に伝えたいことを選択、要らないものを捨てる。それで想像以上に相手とのコミュニケーションを改善できるはずだ。また、会社の同僚や家族とも、楽しく話す時間を持とう。普段話さないでいるとノドや口周りの筋肉や脳の神経が退化してしまう

 もっと話し上手になりたいと思えば、1日24時間、1年365日が話し方トレーニングの場になるのだ。

魚住りえ(うおずみ りえ)さん
フリーアナウンサー、ボイス・スピーチデザイナー
魚住りえ(うおずみ りえ)さん 大阪府生まれ。広島県育ち。高校時代に放送部に在籍し、数多くのアナウンサーを輩出しているNHK杯全国高校放送コンテストに出場。朗読部門で約5000人の中から全国3位に選ばれる。95年、慶応義塾大学を卒業後、日本テレビ入社。「所さんの目がテン!」「ジパングあさ6」「京都 心の旅へ」などを担当。2004年フリーに転身し、テレビ、ラジオを問わず幅広く活躍中。「魚住式スピーチメソッド」を立ち上げ、経営者や弁護士といったビジネスパーソンを中心に、話し方を磨くための指導を行っている。
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