臨床の場で効果を上げている「湯たんぽ」

 そして、班目院長がクリニックで患者の冷えを解消する「切り札」として使用しているのは湯たんぽだ。かつて就寝時の暖房として用いられてきた湯たんぽと基本的には同じだが、班目院長が臨床で使用しているものは、オフィスなどでも使用しやすいフラットなタイプ。熱量が1時間あたり13万カロリーと暖房器具のなかでもずば抜けて高く、体の冷えを改善する作用が期待できる。

フラットタイプの湯たんぽ
フラットタイプの湯たんぽ
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2つの湯たんぽが中央でつながった形状で、太ももの上に乗せたり、腹部に当てたりして使いやすい。写真(上)は「湯たんぽ美人」(マルカ製、2個組みで6190円[税込])。それぞれの湯たんぽに、お湯を入れる容器が収まっている(下)。
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2つの湯たんぽが中央でつながった形状で、太ももの上に乗せたり、腹部に当てたりして使いやすい。写真(上)は「湯たんぽ美人」(マルカ製、2個組みで6190円[税込])。それぞれの湯たんぽに、お湯を入れる容器が収まっている(下)。

 湯たんぽは、大きな筋肉の部分、それもなるべく体幹部に近い部分を温めれば効果が高いという。特に集中的に温めたほうがいいポイントは次の4つだ。

1 お腹
2 太腿前面
3 お尻
4 二の腕の後ろ側

 それぞれの加熱時間は3~10分をメドにして「温かかくて気持ちいい」状態から「あと5分もすると汗をかきそう」と感じたら移動させる。我慢して同じところにずっと当てていると、汗をかき、あとで冷えてしまうことになる。

温めて気持ちよければ冷えている証拠

 班目院長は、たくさんの症例を基に湯たんぽなどを使って冷えを解消した場合の、症状改善効果について調べてきた。その結果、まず効果が期待できるのは痛みの改善であったという。頭痛、肩こり、腰痛などのほか、関節リウマチ患者にみられる朝の指のこわばりなども改善が見られたという。また、泌尿器症状(夜間頻尿、頻尿)や全身の倦怠感の改善などにもよい効果が得られたという。さらに、がんで治療中の患者の症例では、湯たんぽで温めることによって、体内で免疫を担当するリンパ球が増えるなどの効果が確認できたという。

 こうした症状は、もちろんビジネスパーソンにもよく見られる。「冷え」と関係があるのかを知りたい人に対して班目院長は、「まずは、自分で温めてみることをお勧めする。医療費の節約にもなるし、仕事の効率もアップする」と話す。湯たんぽなどを使って温めてみて、症状が改善するようなら効果があるということだ。必要に応じて、東洋医学の外来などを受診してみてもいいだろう。

班目健夫(まだらめ たけお)さん
青山・まだらめクリニック 院長
班目健夫(まだらめ たけお)さん 1984年、岩手医科大学大学院を卒業後、岩手医科大学第一内科に勤務し、消化器内科・肝臓学・糖尿病・代謝疾患を専攻。1995年、東京女子医科大学附属東洋医学研究所に勤務し、漢方医学、針灸医学を研究。2000年、東京女子医科大学附属成人医学センターを兼務し、自然療法外来を始める。2001年、東京女子医科大学附属青山自然医療研究所に勤務。2011年、青山・まだらめクリニック 自律神経免疫治療研究所を開設。一般向けの著書に『免疫力アップ! 「湯たんぽ」で「冷え性」が治る 低体温が万病のもと』(だいわ文庫)などがある。
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