「ティール組織」の時代にどう生き、どう働くか

 先日、某大企業でのマネジャー向け研修で、このような悩みを話された方がいました。

 「自分自身のヴィジョンと、上長のヴィジョンが異なる場合は、どうすれば良いのか」

 従来型の日本企業で、よくある問いです。少し対話をした後に、私はこうお伝えしました。

 「自分自身のヴィジョンにまず真剣に向き合ってください。まずは、自分自身のヴィジョンです」

 自分のヴィジョンは何か、なぜこの仕事をしているのか、という根本の問いに「真摯に」向き合うことが重要です。真摯さ(Integrity)という言葉はドラッカーもよく使いますが、「会社人、組織人」としての自分と、「本来の自分自身」を分けることなく、

 「自分自身はこの職場で何をしたいのか、何を目指しているのか。なぜこの組織で仕事がしたいのだろうか」

 という問いに向き合うことが大切です。その上で、上長と本気でヴィジョンを語り合うことで、相手にそれが伝わることも、あるいは双方の意図を融合したさらに優れたヴィジョンが見えることもあるでしょう。ティール組織の時代には、上長という存在も「目的を共有したパートナー」と捉えることが大前提です。

 「自分の組織がいま『何色』か」という話はほとんど意味がありません。

  1. 「セルフ・マネジメント(自主経営)」
  2. 「ホールネス(自分と組織を切り離さない)」
  3. 「存在目的(組織の、事業の存在目的を常に意識する)」

 という「ティール組織としての3つの突破口」をまずは「自分自身」が実践することで、働きがい、使命感、新たな成果がますます見えてくるはずです。経営や仕事を通じて、「機能する社会」を創っていくのは、次世代に向けた、私たち一人一人の大切な責任なのです。

(第10回 終わり 第11回・後編に続きます)

(写真:PIXTA)