社風改革の鍵を握る最高社風責任者(CCO)

 社風改革に当たって、専属チームが必要であることは前回述べた。
 社風改革に取り組みたいと思うなら、まず、あなたの組織の人事部に任務を任せたいか、人事部はそれを望んでいるか、彼らに社風のエコシステムを構築する能力があるかを考えるのが先決だ。

 人事部内に社風チームを置くことが決まったら、次は研修だ。大企業の場合、半年間の集中研修で、社風改革のサイエンスを学ばせるのがいいだろう。例えば、ある組織では、人事部が毎週、読書会を開いて拙著を1章ずつ読み進め、ランチを持ち寄っては感想や意見を交換し合ったりしている。

 本連載の「第1回 優れたパフォーマンスを生む『社風』の正体」で、最高社風責任者(CCO)を筆頭とする文化チームを人事部に置き、ToMoの向上によって社風を高めることを主任務とするのが理想だと説明した。CCOは、組織のトップであるCEOに直接報告ができるような体制にすべきであることはすでに述べた。

 社風は最も重要かつ強力な資産であるとともに、極めて慎重に扱うべき資産でもある。その資産の管理に責任を持つという任務の重要性を考えれば、CCO がCEOに報告する立場にあるのは当然だ。

 CCOの適任者としては、主に3つのタイプがある。

 まず、組織心理学に通じている人。2番目が組織のトップを経験した人。3つ目が、意外かもしれないが、システムエンジニアだ。私自身、エンジニアでもあるが、社風というのは、意図を持って設計するものだ。しかも、社風は、「人間」という、いかなるマシーンよりも複雑なものが絡み合ってできている、非常に複雑なエコシステムだからだ。

 最高人材責任者、人的資本責任者、最高人事責任者など呼び方は違っても、CCOに相当する役職を置いている組織もすでにある。スタートアップなどの新興企業のほうが熱心だ。最高の人材を雇い、確保するのが大企業より難しい分、良い社風や高いToMoが必要不可欠であることを承知しているからだ。

 一方、大企業では変革が容易ではないため、社風チームをつくったら、少人数のパイロットグループを試験的に立ち上げ、社風改革を試すのがいいだろう。大企業の中に小規模企業をつくるような感じで、スムーズに社風を改革できるかどうか試してみる。それがうまくいけば、改革の有効性を会社全体に示すことができる。

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