最高社風責任者(CCO)が率いる社風チームを

 次に重要なのが、社風チームの立ち上げだ。ToMoは、偶然高まるようなものではなく、誰かが率先してやらねばならない。

 社風の責任を負うのは誰だろう。大半の組織にそのような人はいない。せいぜい人事部だろうか。人事部は、評価や人材教育など、社風の鍵をいくらか握っている。しかし、人事部が適応的パフォーマンスの管理者と見なされることはほとんどない。そこで、社風チームの登場となる。その仕事には、六つの側面がある。

 社風チームの任務は、すべての部署で適応的パフォーマンスが向上し続けるような社風を築き、体制を整えることだ。そして、社風チームのトップは、CEOに直接報告できる最高社風責任者(CCO=Cheif Culture Officer)が就くべきだ。
 社風チームは中核メンバーと交代制のメンバー(社風委員)から成る。

 中核メンバーには、すでに社風の鍵をいくつも握っている既存の人事部が含まれる。それらの鍵を誰が管理しているかによって、中核メンバーがさらに必要になることもある。

 また、社風チームには、非中核メンバーとして、社内の全部署のメンバーが交代で参加すべきだ。まず、主な部署でToMoのリーダーと見なされている人に、2年間、そのメンバーになってもらう。この交代制のグループの任務は、社風を良くする鍵を自らの部署で使ったり、社風に関する聞き取り調査をしたり、中核チームのメンバーになるための経験を積んだり、導入プログラムを指導したりすることだ。

 そして、社風チームのメンバーとして首尾よく任期を勤め上げることが、管理職のキャリアルートの一環と見なされるべきだ。組織のリーダーになるには、優れた社風の築き方を理解することが欠かせないからだ。
(次回につづく)

「良い社風」は意識的に努力して作り出すもの!
『マッキンゼー流 最高の社風のつくり方』
『マッキンゼー流 最高の社風のつくり方』 (ニール・ドシ、リンゼイ・マクレガー・著 野中香方子・訳、定価1800円+税、日経BP社)
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 同じような業種、人材の企業であっても、業績に大きな差がつく。現在のように厳しい経営環境のもとではなおさらです。本書著者のニール・ドシとリンゼイ・マクレガーは、マッキンゼーなどで数多くの企業の経営コンサルティングに携わりながら、「その差は社風や企業文化の違いによって生じるのではないか」と考えるようになりました。社風は捉えどころがなく、意図して作り出すことなどできない、と思いがちですが、著者たちは20年かけて、社風や企業文化の本質を科学的に解明。しかも、「悪い社風」を「良い社風」に変革する方法を編み出しました。不確実性と複雑性が高まる現在、良い社風を築き、社員一人ひとりが自律的に変化に対応できるように、環境を整えることが、企業経営にとって欠かせません。その一助として、本書が大いに役立ちます。