成果主義では、競う相手がライバル企業ではなく仲間

 ToMoを高める特効薬はない。組織は多くのことをやらねばならないが、例えば、私たちが関わっているある大手金融機関は、まず組織再編に取り掛かった。

 人事、財務、事業など、機能別に組織された従来の部署を再編し、人事・財務部から1人ずつ、事業部から5人など、混合の独立系ユニットを社内に複数立ち上げ、業務全体を見渡せるようにした。そうすることで、自分の仕事が与える影響を知ることができるようになり、楽しさや目的などの(直接的)動機が増し、組織全体のToMoが高まる。

 また、間接的動機を抑えるため、チーム内のランクづけをやめた組織もある。ほとんどの会社は、長年、間接的動機に頼ってきた。その慣習は捨て去るべきだ。

 例えば、成果主義の導入で、メンバーを1位から最下位までランクづけすると、感情的圧力と経済的圧力がグンと強まり、各個人のモチベーションやチームワークは確実に崩壊する。メンバー同士が情報のシェアや助け合いをしなくなり、チームとしてのパフォーマンスが大幅に低下してしまうためだ。

 経営者は、成果主義が特効薬になることを望みがちだ。飴とムチだけで従業員を思いのままに働かすことができたら楽だ。しかし、成果主義にそのような効果はない。メンバーが競う相手は、ライバル企業ではなく、同じチームの仲間となり、足を引っ張り合い、チームとしての最高のパフォーマンスを消す恐れもある。

 ToMo指数を活用する際に注意すべきなのが、まず、ToMoを(出世や報酬などの)インセンティブとして用いないことだ。しばしば見かけるが、「君のチームのToMoを上げることができないなら、クビだ」などと迫るのは、ToMoの向上を目指すことと矛盾した行為だ。ToMo指数を引き合いに出し、恥をかかせたり、感情的・経済的圧力をかけたり、恐怖心を抱かせたり、罰を与えたり、報酬をちらつかせたりすべきではない。

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