「尿たんぱく陽性」なら、検査を3回受けて判断する

 尿たんぱくが陽性のとき、体ではどんなことが起きているのだろうか。陽性と判定されたら、その後にどんな検査が待っているのだろうか。

 心臓から腎臓に送られた血液は、「糸球体」と呼ばれる部分でろ過されて、尿のもと(原尿)が作られる。ここで不必要なものは尿として排泄され、必要なものは再吸収されて血液に運ばれる。たんぱく質は体に必要なものなので、通常なら、糸球体ではろ過されずに血液中に残ったり、ろ過されても糸球体の先の「尿細管」で再び吸収されるため、尿にはそれほど出てこない。

 尿に一定量を超えるたんぱくが漏れ出ていると「たんぱく尿」と呼ばれ、たんぱくの量が多い場合や、たんぱく尿が持続的に認められる場合には、腎臓の病気が疑われる

 職場健診の尿検査で「尿たんぱく陽性」と判定されれば、それが一過性の生理的なものなのか、病気の可能性があるものなのかを判断するため、後日3回の尿検査を行うのが一般的だ。

「尿たんぱく陽性」だった場合の再検査の流れ
3回の再検査のうち、陽性(+)が1回だけなら一過性のたんぱく尿と判定され、陽性が2回以上の場合は病的たんぱく尿が疑われる。初回の検査結果が陰性(-)、あるいは疑陽性(±)の場合、糖尿病でなければ再検査の必要はない。擬陽性とは陽性が疑われる状態を指すが、激しいスポーツをした後など、一時的にたんぱくが増えているケースが多い。
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 この3回の検査のうち、陽性が1回だけなら、一過性のたんぱく尿と考えられる。陽性が2回以上の場合は、病的たんぱく尿が疑われる。病的たんぱく尿は、問題のある部位によって「腎前性」「腎性」「腎後性」の3つに大別され、それぞれ、次のような原因が考えられる。

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 尿試験紙は主に、尿中のたんぱく質で最も多いアルブミンに反応する。そのため、尿たんぱく陽性となるのは、主にアルブミンが出る腎性の糸球体の病変や、腎前性の全身性疾患の場合が多い。

 ただし、試験紙による尿検査では、尿中のたんぱくがどこから出ているのかは分からない。そこで、病的たんぱく尿が疑われた場合は、必要に応じて精密検査が行われる。精密検査では、一定量の尿中の成分などを調べる「定量検査」や、超音波検査をはじめとする画像検査などを組み合わせて、たんぱく尿の原因を探っていく。「たんぱく尿がみられたときは、さまざまな角度から原因を調べ、鑑別することが重要です」(富野氏)。