一過性の場合は心配無用

 一方、尿糖検査の結果が陽性でも、糖尿病でない場合もある。「高血糖でなくても、体質的に尿の中に糖が出やすい『腎性糖尿』の人もいれば、妊娠後期の人でも生理的に尿糖が出やすくなります。このほか、食べ過ぎたときや精神的なストレスを受けたときなども一時的に尿糖が出ることがありますし、胃や十二指腸の切除手術を受けた人も、食後に急激に血糖値が上昇して、尿糖が出やすくなることがあります。これらの場合は、とくに心配はいりません」(富野氏)。

 糖尿病の可能性についてチェックするときは、尿検査の尿糖の結果だけで判断せずに、血液検査の糖代謝のカテゴリーに含まれる空腹時血糖やヘモグロビンA1cの値も併せて参照しよう。

糖尿病の診断の流れ
初回検査で糖尿病と診断される場合と、再検査を経て糖尿病と診断される場合がある。『糖尿病治療ガイド』(発行:日本糖尿病学会)を基に編集部で一部改変
富野康日己(とみの やすひこ)さん
順天堂大学名誉教授、医療法人社団 松和会 常務理事
富野康日己(とみの やすひこ)さん 1949年生まれ。74年順天堂大学医学部卒業。同大学腎臓内科教授、同大学附属順天堂医院副院長、同大学医学部長、同大学大学院医学研究科長などを経て、2015年から現職。医学博士。専門は内科学、特に腎臓病。医師・研究者向けの著作のほか、『自分でできる! 腎臓病カンタン療法80』(学研パブリッシング)、『別冊NHK きょうの健康 慢性腎臓病(CKD)』(NHK出版)など、一般向けの著書・監修書多数。