会社勤めを続けている限り、避けては通れない職場の健康診断。自覚症状のない病気を見つけてくれるのは有難いが、仕事に追われるなかで再検査を受けるのはできれば避けたいのが人情。異常値を指摘されたとしても、どこまで生活を見直せばよいのか、今ひとつ釈然としない人も多いだろう。このコラムでは、各種検査への臨み方や結果の見方、検査後の対応など、誤解交じりで語られやすい職場健診についてわかりやすく解説する。
シリーズ
知ってビックリ! 健康診断のウソ・ホント

完結
9回
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職場健診で発見できない難聴があるってホント?
職場健診の聴力検査では「所見なし」でも、初期の加齢性難聴は健診では見つかりにくい。言葉の聞き取りにくさや生活習慣病があれば、耳鼻咽喉科で検査を受けるのがいいだろう。
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健診の意外な盲点、視力検査はどこまで正確?
職場健診で視力検査を受ける時間帯が選べるなら、その人の目や体のコンディションが良いときに受けるのが望ましい。午前中でも寝不足だったり、前日に深酒をしていたりする場合は、視力に影響が及ぶこともある。もっとも、健診で使われる…
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増える緑内障、眼圧検査で異常なしなら大丈夫?
緑内障は、視神経に障害が起きて、視野が欠けていく病気だ。表参道内科眼科名誉院長の戸張幾生氏は「40歳以上の日本人の20人に1人は緑内障といわれ、その数は年々増加しています」と指摘する。眼圧検査で異常なしの判定を受けたとし…
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心電図で2年続けて要精密検査、今年はパス?
左室肥大は、職場健診の心電図検査でよく指摘される所見の1つ。毎年同じ所見であっても、翌年には狭心症などのリスクが高まっている場合もある。何かしらの所見が指摘された場合は、経年変化を見ていくことが大切だ。
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心電図検査で「要経過観察」って心配ない?
職場健診で実施されている安静時の心電図検査は、心電図を実際に記録する時間は15秒ほど。それほど短い時間で簡便に行える検査だが、心臓病の診断に役立つ様々な情報を得ることができる。
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健診で尿たんぱく検出、腎臓が危ないケースは?
尿にたんぱく質が漏れ出る「たんぱく尿」の有無を調べる検査は、腎臓の病気を見つけるうえで重要なものだ。慢性の腎臓病の多くは、かなり進行するまで特に自覚症状がないので、本人が気づかないうちに悪化することが多い。
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休肝日を設ければ中性脂肪値は下がる?
職場健診の脂質代謝検査の項目では、中性脂肪値よりもコレステロール値の方を気にする人が多いかもしれない。しかし、中性脂肪もコレステロールを介して間接的に動脈硬化を促進するので、同様に注意が必要だ。
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悪玉コレステロールが多いのは飲み過ぎのせい?
健診の脂質代謝検査は、動脈硬化につながる脂質異常症を見つけるために行うもの。LDL/HDLコレステロールのほかに、中性脂肪の値も見るのが基本だ。
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尿糖は出てないから、糖尿病の心配はない?
「尿糖検査が陽性なら糖尿病かもしれないけど、陰性なら心配ないだろう」と考える人がいるかもしれない。しかし、その結果が陰性であっても、糖尿病の心配がないわけではない。特に50代以上の人は尿糖検査の結果を見て、早とちりしてし…
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70歳定年 あなたを待ち受ける天国と地獄
従業員の希望に応じて70歳まで働く場を確保することを企業の努力義務として定めた、改正高齢者雇用安定法が2021年…
全8回