情報の高速処理は東大法学部卒からAIに

藤原:これから10年の最大の社会変化は何かというと、ネットにAI、ロボットがつながるということでしょう。それによって税理士や弁護士や霞が関の官僚がやっている事務処理のほとんどがロボットができるようになっちゃう。

 優秀な官僚というのは、ある法案を通すために200、300の既存の法律を読み合わせて整合性を取らなければいけない。それには高速処理能力がいるので、東大法学部が強い。

 でも、あと10年ぐらいすると、AIが「お告げ」をするとか、ネットに神が宿るというようなことになると思う。人間を超えるかどうかは別として、専門家に聞くより、背後で膨大なビッグデータの分析をしているAIに聞いたほうが早くて正確だということ。

 そうなったとき、教師とは何か、という問題が残ります。一大問題です。知識はAIに任せたほうがいいかもしれない。進路指導すら、科学的なデータ分析を行ったうえで機械にできちゃうかもしれない。

 じゃあ、生徒の前に立っている教師にはいったい何が残るのか。それは、教えるということではないのではないかと僕は考えています(間違っているかもしれないが)。「Google」にできないこと。

 それは、先生が「学ぶのが大好き!」というオーラを出すこと。

 例えば生物の先生が出す「生物大好き!」というオーラは、「Google」からは出ないんですよ。

山本:できないですね。

教育は伝染、感染

藤原:そう。学ぶのが大好きというオーラがあるから、子供たちも勉強が好きになったり、調べたり、もっと知りたいと思ったり。

 国語でも古文が好きだとか、和歌が好きだという先生がいるでしょ。その先生がもう喜んでやっている。何でこんなものを学ばなきゃならないのかという子もいるでしょうが、やっぱり先生に影響されて、古文が好きな子が出てくる。

 教員に最後に残る役割は、「学ぶのが大好き」というオーラを出すこと。これはもう絶対人間は譲れないところで、AIにはできない芸当だと思う。

 学ぶのが好きというのが伝染、感染すること。

 僕は、教育は伝染、感染だと思っているんだ。だって本好きの人の息子とか娘はやっぱり本好きになりやすいでしょう。どう思います?

山本:それはすごくそうだと思います。うちの学年にはオーラ出しまくっている先生多いです。

藤原:でも先生、いまさら生徒に英語が好きかと聞かれたら困っちゃうでしょうね。

山本:英語はそもそもツールなので……。

藤原:そうなんだよね。道具だからね。

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