山本:日本の先生たちは、生徒が頑張るんだったら自分も頑張らないと、と無理しちゃうんです。僕はそれがいいか悪いかというと、働き方としては悪いと思っている。

藤原:難しいところですけどね。

先生の「教えるのが好き」が障害に?

山本:生徒が頑張るから休み返上で頑張るというのは、やっぱりバランス的にはよくないとは思うんですよ。だけど現実はそうですよね。日本の学校はそれで支えられている部分というのは、やっぱり強くある。

山本崇雄氏
山本崇雄氏

藤原:確かに先生は忙しい。事務的にも忙しいし、夏休みも忙しい。土曜日も補習だし、部活をやっている先生は夜9時まで働いている。目の前で先生のあの忙しさを見せていたら、自動的に将来、残業するサラリーマン、残業する官僚を育てていることになります。

確かに……。

藤原:授業を何としても効率的にする必要があるんです。それがアクティブラーニングの究極の姿じゃないかと思う。誤解を恐れずに言えば、授業の時短です。動画の活用と、山本先生がやっている助け合い。最後は知識が定着したかどうかのテストもすごく軽くスマホでやる。それで30分。そうすると午後1時までに7コマ終えられるの。

山本:大きな障害は、先生は教えるのが好きだということです。

藤原:それ、分かるけどね。

山本:それから、「教えたい」から先生になったという人も多いのではないでしょうか。そういった先生は教える時間を奪われることを恐れているようにも感じます。

藤原:これが問題の本質かな(笑)。

山本:アクティブ・ラーニングを成功させるための究極の方法は、中間・期末考査をやめることだと思います。定期考査がなくても学び続ける生徒を育てなければいけない。

 ただ、決してテストがいらないと言っているわけではないんです。ペーパーテストも含めスピーチやエッセイなど多様なテストをそれぞれの教科の必要なタイミングで取り入れなければならないと思います。だけど今は、「テストに出るぞ」、が生徒の動機づけになっている授業があまりにも多すぎる。もしかしたらテストで点を取らせるために教えることが好きな先生が多いのかもしれなという気もします。

 テストをやめてみて、自分の授業の本質は何なんだろうとみんな考えだしたときに、多様な授業のアイデアが生まれてくる気がするんですよね。

藤原:日本の教育を次のステージに載せるのに何が障害になるかということについて、山本先生は誠に端的な話をされているのですが、ここを変えるのは結構大変ですね。

山本:テストも行事も去年もやったから今年もやるとか、例年やっているからやめられない、といったことが多いと思います。学校現場ではやることが目的化されていることが多い。藤原先生もおっしゃったように、前例があるからやるというのは僕はやめた方がいいと思っています。今、子供たちに本当に必要な力をつけさせるために、本当にそれが必要なのかどうかということを一つひとつ見ていかなきゃいけないと思うんです。

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