今回は、職場で一緒に仕事をしている人たちと、もっと深いコミュニケーションをとるにはどうすればよいのかを考えていきます。この20年ほどでオフィス環境は大きく変化しました。コミュニケーションを深めるという観点からすると、難しい環境になりつつあります。現在のオフィス環境について再認識するとともに、どうすればよいのか考察していきます。

「コミュニケーションが足りない」と言われても…

 最近は、「サーベイ」と呼ばれる意識調査を導入する企業が増えています。そこで、よく指摘されるのが「職場のコミュニケーションが足りていない」ということ。そう言われても、では具体的にどう改善していけばよいのか、意外とむずかしいですよね。特に、新任管理職の皆さんにとって、職場のコミュニケーションをどう深めていくかは、けっこう難題なのではないかと思います。

 昔と違って、今はメンバーと飲みに行くのも簡単ではありません。そもそも、1回や2回飲みに行ったところで、根本的な改善にはつながりませんしね。さらに、現在のオフィス環境は、「コミュニケーションを深める」という観点で見てみると、あまり良い状況とは言えなくなってきています。

 昔は、職場にいればメンバーがどのような状況にあるのか把握できたし、人間関係も構築できました。しかし、現代のオフィス環境では、「職場にいれば」ということは期待できません。意図的にアクションをとらないと、一向にコミュニケーションが深まっていかないのです。とはいえ、あまり面倒くさいのも困りますよね。そこで、すぐにできる対応策をご紹介しましょう。

 全部で5つあります。それぞれ関連性があるので、バラバラに行うよりもセットで実施するほうが効果的です。

①メンバーの情報を頭に入れる

 「業務遂行に関係ない個人情報は必要ない」という考え方もありますが、やはりメンバーのことはよく知っておくべきだと思います。特に、ご家族の病気や介護など、本人に負担がかかっている事項を把握しておくのは重要です。

 それ以外に、趣味や嗜好など興味関心をもっている分野も押さえておきましょう。サッカーなどのスポーツ、ラーメンなどのB級グルメ、そしてお子さんやペットの話など。「この話題を取り上げると、喜んで会話をしてくれる」というネタが見つかると、コミュニケーションがとりやすくなります。

 情報の収集方法は、やはり本人と面談して直接聞くのが一番です。人間には、多かれ少なかれ「自分のことを、よく理解してもらいたい」という欲求があります。「より良い職場を作るために、皆さんのことを理解したい」と率直に意図を説明すれば、ほとんどの人は応じてくれるはずです。これは、上司に対する信頼感を醸成することにもつながります。少し億劫かもしれませんが、部下をもったら「儀式」だと思って一人一人と面談していきましょう。