世代分けすることが目的ではない

 私は決して、「この世代はこういう人だ」と決めつけるつもりはありません。そうではなく、こうした世代間格差があることを理解した上で、お互いがよりわかり合えるようにする工夫を考えるべきだと思うのです。

 若い世代の人たちは、ぶつかり合うようなコミュニケーションは苦手で、当たり障りのないコミュニケーションに居心地の良さを感じます。また、自分なりに楽しさや意義を感じることは頑張るものの、意味のないことを「頑張れば報われる」などと言って押し付けられるのは苦手です。上の世代の人たちは、このことをよく理解して接するべきだと思います。

相手に乗り移った気持ちで考えてみよう

 ビジネスは、相手のことをよく理解したほうがスムーズに進められます。その際に、「相手の立場になって考える」ことが大切です。以前、あるカリスマ美容師の方が、「私はカットの前に、お客さんの着ぐるみを被ったつもりになってイメージする」と話しているのを聞いたことがあります。これなど、「相手の立場になって考える」の具体的な実践例だと思います。決して、カットの技術だけでカリスマ美容師と呼ばれているわけではないのですね。

 もし皆さんが、「20代の部下のことがわからない」「バブル世代の上司のことがわからない」などと感じていたら、まずは相手の立場になって考えてみましょう。それこそ、着ぐるみを被るようにして(笑)。そうすると、気づくことがたくさんあると思います。もちろん、相手のことがすべてわかるわけではないのですが、それでも理解は相当進むと思います。さらに、「この人は、私のことをわかろうとしてくれている」ということが伝わると、相手との距離がグッと近くなります。

 ここまでお話ししてきて、対話において相手の話を聞くことの大切さはよく理解していただけたかと思います。しかし、「上司や部下の言うことを何でもかんでも聞いていると、振り回されてしまって仕事にならない」という事態になりかねません。実は、「話を聞く」のと「言うことを聞く」のは違うのです。この点をわかっていない人が、ベテランでも実に多い。次回は、この点を考察していきます。