とっさに話しかけられた時の雰囲気にも気をつける

 商談などであれば、あらかじめ自分に言い聞かせて雰囲気を作ることができます。しかし、とっさに話しかけられた時は、考えていることが無防備に表情に出てしまうものです。マネジメントに携わる人はいつも忙しいので、部下から話しかけられた時に「あぁ?なんだ?」と不機嫌な表情をしがちです。

ところが、この表情は部下たちの脳裏に刻み付けられます。これを繰り返すと、「あの人は話しかけにくい」というレッテルを貼られてしまいます。こうなると、報連相が滞るようになりかねません。上の立場になればなるほど、どこから打ち込まれても受け止められるようになることが理想です。剣術と同じですね。

 こういうと、「それじゃあ、部下の話にいつでも付き合えっていうわけですか?」と誤解する人がいます。そんな必要はありません。いったん受け止めてあげることが大切です。話が長くなりそうだったら「ごめん、今は忙しいから、昼過ぎにもう一度話を聞かせてくれないか?」などと言って遮るのは構いません。こうすれば部下も「話しかけにくい」とは思わないものです。大切なのは、最初に声をかけられた時に「受け止めてあげること」です。

息遣いも雰囲気に大きく影響する

意外に思われるかもしれませんが、「息遣い」も雰囲気に大きな影響を与えています。ハアハアと浅くせわしない呼吸をしている人とは落ち着いて会話できませんよね。人は、息を吸うと交感神経が働いて緊張が高まり、息を吐くと副交感神経が働いてリラックスします。気難しい人を前にすると、どうしても息を詰めてしまって緊張しがちになるもの。なるべく息をゆったり吐くようにして、リラックスすることを心がけましょう。

クレームに対応する時なども、どうしても息を詰めてしまいがちです。なるべくゆったりした呼吸をするようにしましょう。また、ゆったりと呼吸をしていると落ち着いた印象をもたれます。若い方が、頼りがいのある感じを演出したいと思ったら、ゆったりした呼吸を意識してみてください。

共通点が見つかると親しみを感じる

雰囲気以外にも、相手の防衛本能を働かせないようにする具体的な方法があります。それは、相手と自分との共通点を見つけることです。たとえば、「同じ学校を卒業している」とか、「出身地が同じ」とか。それから、ゴルフやサッカー、釣りなど「同じ趣味をもっている」など。もし見つからなかったら、「同世代である」でも構いません。

そして、共通点が見つかったら、それにまつわる話をしてみましょう。学校、出身地、趣味、そして同世代だけに通じる話題を取り上げてみます。そこで通じ合うことができると、相手は少しずつ親しみを感じてくれるようになります。

こうしたことを、意識的にやることが大切です。筆者は昨年から中国でビジネスを展開するようになりました。ビジネスは、できるだけトップアプローチをしたほうが効果的です。とはいえ、トップは忙しいし、気難しい人も多いので、そう簡単ではありません。そこで、商談の際には事前に情報を集めてお互いの共通点を見つけ出すように留意しました。おかげで、数多くの董事長・総経理と人脈が構築できて、ビジネスが円滑に進みました。中国でビジネスをする上で注意すべき点を教わったり、顧客を紹介してもらったりなど、そこから得られたものは計り知れません。

まったく共通点がない人は少ないものです。なかなか見つからなかったら、「共通点」を広めにとって「共通項」にしてみましょう。「同世代である」以外にも、サッカーと野球の違いはあるけど「同じスポーツ好き」とか。「難しい年ごろの子供がいる」というのも、共通項になり得ます。それらを見つけて話題に取り上げることで、親しみを感じてくれるようになります。

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