編集:今でこそ、牧野さんは経営者としての立場を持ち、スーツへのこだわりも周知が進んでいます。しかし、牧野さんがスーツにこだわり始めた頃は、上司や先輩、頭の上がらない取引先などもいらっしゃったと思います。そんな彼らから、飲み会において「今日は暑いし、楽にしてよ」と言われても、脱がずに通してきたのでしょうか。

牧野:通してきたね。でも、それで怒りだす人はいないよ。何回も脱ぐことを提案されても、「趣味ですから」と断りを入れて、絶対に脱がなかったね(笑)

編集:このエピソードを聞くだけでも、牧野さんがファッションに傾ける情熱が並々ならぬものだと理解できます。そんな牧野さんがトップを務めるワークスアプリケーションズには、ほかの会社にはない身だしなみに関するルールなどはありますか?

社内スリッパを絶対に許さない

牧野:身だしなみは僕の趣味だから、他人に押し付けるつもりはないんだ。

 ただ、どうしても認められないものもある。その1つが、オフィスでのスリッパだ。

編集:牧野さんとしては、どのあたりが一番許せないのでしょうか。

牧野:すべてだよ。ここは自宅ですかと。仕事をする気があるのか疑ってしまう。

編集:この熱量、マクロ経済や未来予測などについて語る牧野さんとは別人ではないかと思われるほど大きいものです。

 ところで、身だしなみへの強いこだわりは、いつ頃からなのでしょうか。

牧野:若い頃から持っていた。もちろん好みの変遷はあるがね。僕は、社会人になる前は、カーリーヘアだったんだ。とてもじゃないが、社会人として通用するものではなかった。

 それを、社会人になるタイミングで、シチサン分けにした。美容師に、

 「誰が見ても銀行員だと思うくらいビシッと分けてください」

 と頼んでね。これは僕の覚悟だった。仕事には覚悟が必要だと思っていたし、今も思っている。だから、オフィスでスリッパを履いている人を見ると、つい気になってしまう。覚悟を持って仕事に打ち込むつもりはあるのかと。

 もちろん服装が適当でも仕事ができる人をいくらでも知っているが、これは僕のこだわりだからね。自分が経営している会社では、これくらいは許されるんじゃないかな。