編集:60歳以下というと、私の親も、「最近の若いやつは」「ゆとり世代はこれだから」とありがたいお言葉を私に賜る先輩方も、全員該当します。彼らは明確に「自分は上の世代」という認識があるように感じます。

牧野:60歳より上の世代は、戦中・戦後の社会を体験している世代だ。実際に戦地に行ったかどうかではなく、そうした社会に身を置いていたかどうかが大きな境目になっていると僕は考えている。

 そこから下の世代は、みんな「腑抜けている」と思うんだよね。

編集:1947年~49年生まれの団塊の世代も上の世代に入るんですね。高度成長の申し子というイメージがありますが。

牧野:現代から結果だけを見ると、彼らは確かにバラ色の高度成長を謳歌した。それでも、考えてみたら当然の話だが、彼らは少年期や青年期に明るい未来なんて描けなかった。

 産業を興さなきゃいけないのに、発電所一つ建てるのだって外国からお金を借りなければならなかった。そんな時代だから、彼らはとにかく考え抜いた。自分や家族だけは生き残れるように、懸命に考えたはずだ。そこには、頑張れば全員が幸せになれるといった発想はないだろう。

 話を”最近の若いやつ”に戻そうか。この世代は「考え抜いた経験がない」点で共通しているが、その方法論が違っている。

頑張れば報われるなんて嘘だもの

 例えば、僕ら50代はかなり諦めが悪い。単純な話で、僕らの世代は、就職した会社で頑張っていれば結果が出やすかった世代だ。脱サラした人が軒並み苦しんだ世代でもある。会社に残って、そこで活路を開くほうが成功確率は高かった。ぶら下がっているだけでも、年次が高くなれば高給がもらえた。だから、「余計なことは考えず頑張り抜けば誰でも幸せになれる」という集団主義的な考え方になりがちだ。