避難民キャンプで配布されたビニールシートを使って、掘っ立て小屋を作り住居にしていたが、雨風が強くなればすぐに飛んでしまう状態。安い土地には安いなりの理由があり、井戸を掘っても水が出る見込みがない不毛な土地だった。生活のために農作物を育てたくても手立てがない。常に吹きさらしの土地で子どもたちは手も洗えず常に泥だらけ。被災者たちは途方に暮れていた。

被災民のテント:被災直後に住んでいたのは、ビニールシートをかぶせただけのテント。雨漏りや風での破損で、安心して眠れない状況だった

 日本紛争予防センターは、これらの被災民向けに住居と給水設備をつくることにした。住居は1軒につき二部屋あるつくりで、木で骨組みし、土と石で壁をつくり、トタン屋根をつけたもの。トタン屋根や支柱などは私たちが調達するが、土や石など現地で調達できるものは住民が集め、建設作業も住民たちに担ってもらうことにした。対立した民族同士が協力して新たな村作りをする象徴的な作業になるし、壊れても自分たちで簡単かつ安価に修理できる持続性を築くことができるからだ。

 ところが、協議を進めるうちに一部の集落の住民から反対の声があがった。他の地域でコンクリート製の2階建ての住居建設の支援を受けた被災者がいることを聞き、自分たちももっと良い住居を建ててほしいと要請してきたのだった。

 この要請を受け入れると、予算の制約のため、建てられる住居の数は半分以下になってしまう。住民たちが自分でメンテナンスをするのも困難になる。こうした点を説明し協議を何度も重ねたが折り合いがつかない。そのため、反対する集落には住居の提供を取りやめ、支援してくれる他の団体を探してもらうことにした。

 住居を必要としている被災者は他にもたくさんいる。雨が降ると住民から「ビニールシートの屋根が飛ばされてみんなびしょ濡れだ!助けて!」と連絡がきたこともあった。一日でも早くより多くの被災者に支援を提供したい。