シリーズ
紛争地で培った「瀬谷流」実践仕事術

完結
この連載では、こうした経験を、エピソードを踏まえてご紹介していく。取り組んだ環境は「紛争地」という特殊なものだが、プロジェクト管理の手法や交渉術はいずれも「一般のビジネス」に通じるものがある。これから海外でビジネスに取り組もうという皆さんの参考になる事例も数多くある。
テロの脅威はアフガニスタンやイラクなど特定の国や地域にとどまるものではなくなった。欧州で無差別テロが拡大している。海外で活動するときいかにして安全を保つか、いかに業務を「進めるか、瀬谷氏が現場で培ったスキルを紹介する。
8回
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交渉の要諦:南スーダンの少年兵を解放
7年ほど前に南スーダンで、ある少年を解放するための交渉に携わった。本題の交渉が膠着し進まなくなった時、“雑談”の中から、彼が少年を解放できない理由が明らかになった。
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トルコのクーデターから考える組織の危機対応
今回は、テロやクーデターに備えて「組織」が取るべき備えと対応ついて話したい。重要な要素となるのは、「情報」「システム」「人」だ。南スーダンの戦闘では、事前の情報収集により、危機にいたる前に避難することができた。
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バングラ・テロ事件、こうして身を守れ
大使館や外国の企業が密集する地域やホテル、レストランに滞在することはなるべく避ける。やむを得ず訪れる場合は極力、短時間にする。これは、テロ事件に巻き込まれるのを避けるための鉄則だ。
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交渉の要諦:決裂しても譲らない一線を決める
多くの人に支援を提供したい。しかし、被災民が要求するものと我々が掲げる理念と一致しないケースもある。そうした場合は、理念を曲げることで生じるリスクを冷静に判断しなくてはならない。一度、理念を曲げると組織は迷走しかねない。…
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アフガンの武装解除で駆使した交渉術
困難な交渉に臨む時には、相手に対してメリットとデメリットを用意することが肝要だ。アフガニスタンでタリバン政権が倒れた時、武装勢力の武装解除を手がけた。司令官たちに武器と部下を放棄させるために用意したメリットとデメリットと…
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交渉は相手に会う前から始まっている
今回からしばらく「交渉」についてお話しする。紛争地での仕事に交渉はつきものだ。私が心がけてきたことに、「相手に身構えさせない状況づくり」がある。ホテルの選び方が交渉の成否を握ることもある
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NGO、国連、外務省と明確な目的をもって転職
「20代のうちだけで5回以上転職しました」と言われたら、皆さんはどんな印象を持つだろう。日本だとあまり好意的には受け取られないかもしれない。実はこれは私自身のこと。武力紛争が終わった後に兵士たちの武装を解除する仕事のため…
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アフガン、南スーダンとビジネスの現場の共通項
筆者は認定NPO法人日本紛争予防センターで理事長を務めている。同センターが取り組むのは紛争地での平和構築活動。武力紛争を経験した社会で争いが再び起きないよう、治安を回復し、被害者の自立を支援し、対立してしまった集団間の信…
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徹底予測2021年 底打ちか奈落か
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河合薫の新・社会の輪 上司と部下の力学
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大西孝弘の「遠くて近き日本と欧州」
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グルメサイトという幻
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フェルディナント・ヤマグチの走りながら考える
この度、故有りましてこの日経ビジネスオンライン上で、クルマについて皆様と一緒に考えていくナビゲーター役を仰せつか…
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テスラが仕掛ける電池戦争
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70歳定年 あなたを待ち受ける天国と地獄
従業員の希望に応じて70歳まで働く場を確保することを企業の努力義務として定めた、改正高齢者雇用安定法が2021年…
全8回