ステップ5 期待を伝える

 叱ることは相手を育てるうえで意味があり、必要なことです。とはいえ、大半の人にとっては叱ること、叱られることは気持ち良いものではありません。だからこそ、最後にステップ5「期待を伝える」を行うことで、今後も叱りやすくなりますし、お互いに気持ちよく終えることができます。「褒めたり、期待を伝えるのは得意でない」という方は、ぜひ意識して紙に書いておきましょう。

 「ゆとり世代」と一括りにするのはよくないですが、今の若手は、自分が実現したい姿、ありたい姿のために頑張る傾向が強いと言えます。普段から叱る相手のことを見て、相手がなりたい姿、手に入れたいモノを把握しておくと、期待を伝えるうえで役に立ちます。

■佐藤課長が鈴木さんにかける言葉

●「鈴木くんも、もう2年目になったな。6月には新人が配属されるから、先輩としてしっかり後輩を鍛えてやってくれよ」

●「鈴木くんの何事も物怖じせずにガンガン取り組むところは高く評価しているんだ。今、足りていない基本行動を徹底できたら、先輩たちや他部署からも信頼されるし、そうしたら、お客さんも引き継いでいけるからな」

うまく行かなければ、前のステップに戻る

 5ステップを進めるうえで、各ステップでうまく行かなければ、前のステップに戻ることが肝心です。

 「こんなステップを踏んで叱らなきゃいけないのは面倒くさい…」と思われるでしょうか。

 ステップを飛ばしたり、相手が納得しないまま次にステップに進んだりしても、こちらは上司ですので、相手も表面的には「はい、分かりました」と従います。しかし、内心では「上司からの指示だし、また叱られるのは嫌だから、面倒くさいけどしばらくは我慢するか」という状態です。

 そうすると、何度も同じことを繰り返し、叱る側も徐々に苛立ちが溜まっていきます。そして、どこかで「失敗の3大パターン」に陥ってしまい、相手との関係を壊してしまいます。叱ることも「急がば回れ」です。順を追って、5ステップをしっかりと踏んでいくことで、相手が自身の間違っていた言動に気づき、解決策を自ら考え、実行できるようにしましょう。そうした先に、部下の成長があり、尊敬される上司への道が開けていきます。

 次回は「叱りたいのに叱れない4大ケースと対策」をご紹介します。

次回に続く)