ステップ4 今後の改善策を促す

 繰り返しになりますが、叱る目的は間違った言動を相手自身に気づかせ、言動を改善してもらうことです。従って、行動が改善しなければ、叱る目的は達成されません。そのために重要なのがステップ4で、質問する、相手に考えさせるということです。自ら改善策を考えることで、実行される可能性が高まります。

 しかし、現実には上司が先に解決策を答えてしまうケースが多く見られます。そうすると、「上司に指示されたことを実行する」だけになってしまい、言動の改善がその場限りになってしまいがちです。

 ある工場でコミュニケーション研修をした時、管理職の方に「自分がいる時はメンバーも整理整頓をやるのですが、自分が海外出張などでいないと途端にやらなくなるのです。出張から帰ってくると、工場が乱れています。しょうがないから、また叱りつけてやらせるのですが…。イタチごっこでもう疲れました。どうしたらやってくれるのでしょう?」と相談されたことがあります。

 真剣に悩まれていたので、部下の方から匿名を条件に話をうかがったところ、叱り方のステップ4ができていませんでした。「○○さんが指示したやり方だと効率的にならないんですよね。ただ、上司に指示されたやり方なので。だから、面倒くさくなって…」といった具合です。

 ステップ3まではできていましたので、管理職の方に状況を伝えて、メンバーの皆さん自身に改善方法を考えてもらうことにしました。

 研修が終わって2カ月ほど後、管理職の方から「自分がいなくても取り組むようになってくれたどころか、自分たちでどんどん改善してくれるようになりました! 自分が改善策を指示しないとダメだと思っていたけど、それこそがダメだったんですね。よく分かりました」と連絡をいただきました。

■佐藤課長が改善を促すために

●「遅刻しちゃまずいし、早めに来た方がいいことは分かったかな。じゃあ、どうやって改善する?」

 ここもステップ2と同じく、事前に答えは書けません。紙に書く際は枠を作って「質問するスペース」を作っておきましょう。