自己炎上型…「興奮」と「期待」に踊らされるな

 NGパターンその1は「自己炎上型」。はじめは「○○を注意しよう」と思っていたのに、指導しているうちに自分が興奮して“炎上”してしまうパターンです。

 「叱る」と「怒る」の違いはご存知かと思います。「怒る」は自分がスッキリするために自分の感情をぶつけること。そして、「叱る」は相手のために理性的に指導することです。佐藤課長の場合、はじめは「鈴木さんが二度と遅刻しないように」という意図で叱り始めましたが、後半では「怒る」に変わってしまっています。

 「叱る」が「怒る」に変わる時、大きく2つの原因があります。

 1つが自分の発した言葉や感情に自分が興奮してしまうパターンです。私たちは自分自身が発した言葉に大きく影響されます。従って、「重要性を伝えるために」と思って、意図的に強い口調で叱っていると、いつの間にか自分の口調に自分の感情が影響されてしまい、「叱る」から「怒る」に変わってしまいます。

 叱る時は冷静に。これが鉄則です。

 「叱る」が「怒る」に変わってしまうもう1つのきっかけは、相手から期待通りの反応が返ってこないことです。

 佐藤課長の場合、「おい、鈴木。なに遅れてきているんだ!注意しろ」に対して期待していた反応は、「申し訳ありません!今後注意します!!」だったかもしれません。

 鈴木さんがそう返していれば「お前、先週も朝礼にいなかったよな。この間の…」のような自己炎上にはつながらなかったかもしれません。

 私たちは叱る時、無意識に「こう返してほしい、こう反省してほしい、自分が若い時はこう返した」という期待を持っています。その期待と違う答えが返ってくることで、敢えて大げさに書くと「裏切られた」という怒りが発生します。

 期待通りの答えが返ってこないという身勝手な怒り、そして、自分の口調に自分自身が興奮してしまう――。この2つによって悪い相乗効果が発揮されると、どんどん自分が燃え上がっていきます。

 そうなると、当初の「鈴木君が次は遅刻しないように」という叱る目的はどこかに行ってしまい、「こいつを懲らしめ、凹ませてやろう」という怒りモードになっています。くれぐれも、何のために叱るのかという目的を明確にして、冷静に叱りましょう。