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子どもが大きくなると必要なのは親の「情報力」

小さい頃は親が寄り添って見守れますが、学校に通いだすと、だんだんと子どもの様子が伺えなくなります。

川島:親の目だけでは限界がありますから、“情報を取る力”が試されますよね。学校の先生やママ友、パパ友、習い事の先生と、いろいろな接点から子どもの情報が入ってきやすい関係性を築く努力をした方がいい。

 子どもも賢くなって、親の前ではいい顔をしたりしますからね。「川島さん、お宅の息子さん、こんなことやっていましたよ」とフランクに教えてもらえる関係性をつくることが大事なんです。

 まさか友達をいじめている様子なんかキャッチしたら、引っ捕まえてガツンと叱らないといけません。任せるのと放置は違いますからね。

単に自由を与えるわけではないのですね。

川島:自主性を尊重するのと同時に、発達段階の子どもに適切な制限を設けることも重要で、うちはスマホも高校に入るまでは持たせませんでした。初めてスマホを持たせた時も利用のルールを決めて、「ルールを破ったら没収するからな」と厳しく伝えました。

 大学生になってからは、「何をやってもいいけれど、留年したら学費は自分で払いなさい」というルールに。「自由と責務はセットである」という意識付けは、社会に出て仕事をする上でも重要です。この2つのバランスを保つことは、イクボス講演でも強調している点です。

 管理職がワークライフバランスを推進する時には、権利を主張する前に職務を果たすことの厳しさをしっかりと部下に言い切らないといけませんよ、と伝えています。部下を早く帰すだけではダメで、早く帰しても成果を上げるための知恵を一緒に絞らなければいけません。

 本気で考えればできるんですよ。日本の管理職はみなさん、優秀ですから。

自由と責務のバランスをいかに調整していくか。これが子育てと部下マネジメントに共通したポイントである、と。

川島:そのバランスも、一度これと決めたからとメンテナンスをサボるとすぐにうまくいかなくなります。常に省みながら、日々調整する努力が必要です。最初に自由だけを与えてしまうと、後から引き締めていくのは難しい。

 僕は社長時代、フレックス制を導入する時も「これから働く時間を柔軟にしていくけれど、それによって組織がまとまらなくなって、お客さんに迷惑がかかるリスクもある。もしそうなってしまったと感じれば、社長判断ですぐに元に戻すから」と社員に説明し、納得してもらいました。

 自由を与えると同時に、果たすべき責務は何かを明確にすることが重要だと思います。