子育ては遊ばせて、食わせて、洗って、寝かせる

“父親ポジション”を取って君臨したい、という感覚が仲山さんにはないんですね。

仲山:ないですね。むしろそういうポジションは取りたくない。仕事するときの人間関係と同じだなと思っています。

 この連載を読ませてもらっていても、みなさん、仕事のやり方やあり方が子育てにも通じているんだろうなというのが見て取れますよね。

 ダイヤモンドメディアの武井浩三さん(「『“何もしない”』をして子どもの可能性を伸ばす」、「経営学は、突き詰めると教育学。子育ても同じ」)とは組織づくりの考え方が似ているので、子育てのスタンスも似ている感じがします。

とはいえ、「親の言うことは聞けよ」と思う時はないんですか。

仲山:僕の指示はほとんど聞かないですが、妻の言うことはちゃんと聞きます(笑)。

 今年、自治会の役員が回ってきて「自治会便り」を配らなければいけないのですが、忙しくてなかなか配れずにいたんです。僕から「配っておいてよ」と息子に言っても動かないのに、妻が指示したらすぐ動く。「本当にヤバかったら、ママが指示してくる」と息子も分かっています(笑)。

「子は勝手に育つもの」という方針の仲山家で、一番大事にしてきた子育てポリシーとはどういうものですか。

仲山:「邪魔しない」。

 「これまで子育てでやったことって何だっけ」と夫婦で考えたんですけど、「遊ばせて、食わせて、洗って、寝かせる」。これだけだよね、と。

 ちなみに「寝かせる」と言いましたが、「寝かしつけ」をしたことは一回もありません。息子は「じゃあ、おやすみなさい」という感じで、勝手に一人で寝ちゃうので。

驚きますね。世の親たちの多くは「どうしたら早く寝てくれるか」と毎晩悩んでいるというのに……。

仲山:幼稚園も入園初日から「じゃ、行ってくるから」と振り返りもせず行っちゃいました。

 離乳にいたっては、生後6カ月ぴったりで「もう結構です」みたいな感じで断ってきました。どうやら「離乳食のほうがうまい」と気づいたようで(笑)。

 味覚が渋くて、幼稚園のときに「好きな食べ物ベスト3」を聞いたら、「すし、そば、こんぶだし」と答えていました。

 小学生の時も、朝から「だしうまい」と言いながら、だしだけすすってたりしてました。白子とかあん肝とか、のんべえが好きそうなものが、全部好きです。

 夕食は小鉢系の居酒屋メニューが定番で、妻と2人で楽しそうに「きょうは何がいい?」「ヒラメの刺身が食べたい」と盛り上がっています。カレーやラーメンみたいなシングルタスク系のものが食べたい、という僕の要望は一蹴されます(笑)。

 そんな話をFacebookに投稿しているので、息子の“のんべえキャラ”は知り合いにも浸透していて、「将来一緒に飲むのを楽しみにしている」とすでにたくさん予約が入っています。これで下戸だったらどうしよう、というのが今の心配事です(笑)。

(後編に続く)

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