「オトコが育児に参加するのが当たり前」の時代に変わりつつある。旬の経営者や学者、プロフェッショナルたちも、自らの育児方針や育休取得についてパブリックに言及することが増えてきた。優秀なリーダーたちは、我が子にどんな教育を与えようとしているのか。また自身はどう育てられたのか。そしてなぜ、育児について語り始めたのか。

 連載20回目に登場するのは、楽天大学学長の仲山進也氏。「楽天大学」を設立し、楽天市場に出店する店舗経営者らから、通称「がくちょ」として慕われる仲山氏だが、プライベートでは中学生の息子が一人いる。肩の力の抜けた仲山氏の子育てスタイルとは。今回はその前編。

楽天大学学長/仲山考材代表取締役 仲山進也(なかやま・しんや)氏
1973年北海道生まれ。慶應義塾大学法学部卒業後、シャープに入社。1999年に、当時は社員20人ほどだった楽天に入社。初代ECコンサルタントとして、楽天市場出店者のECマーケティングをサポートする伴走役となる。2000年、出店者の学び合いの場として「楽天大学」を設立。商売だけでなく、チームビルディング、理念経営などを幅広く支援し、通称「がくちょ」として全国のEC店舗経営者から慕われる。2007年より楽天で唯一の“フェロー風正社員”(兼業自由・勤怠自由)となり、2008年には仲山考材を設立。『組織にいながら、自由に働く。』(日本能率協会マネジメントセンター)など著書多数。取材時、45歳。神奈川県鎌倉市在住。元同僚で専業主婦の妻、12歳の長男との3人暮らし(取材日/2018年10月12日)

仲山さんと言えば、「楽天市場」の最古参スタッフであり、全国の楽天市場出店者 から「がくちょ」として慕われるEコマース戦略とチームビルディングの専門家です。「会社員でいながら自由に仕事を楽しむ働き方」の実践者としても注目されています。プライベートでは中学1年生の息子さんの父親で奥様と3人暮らし。お住まいは鎌倉ですね。ずっと鎌倉ですか。

本連載に登場した、気鋭のビジネスリーダーやプロフェッショナルなど10人の子育て論をまとめた『子育て経営学』

仲山氏(以下、仲山):以前は、東京の都心に住んでいました。妻も楽天で働いていたので、結婚する時、(当時の会社所在地だった)六本木ヒルズから電車1本で通える月島に引っ越しました。

 けれど息子が幼稚園に通いだした時に、隣接していた小学校のグラウンドが土ではなくて、陸上競技場の劣化版のような……ありますよね。

 あれだったので、妻と「子どもが通う小学校のグラウンドが土じゃないって、どう思う?」「ないわー」、かつ「小学校で転校したこと、ある?」「ない。子どもにもさせたくないよね」と意見が一致して、引っ越すことにしました。

 鎌倉にしたのは、妻の実家が鎌倉だったからです。特に「鎌倉暮らしに憧れて」という感覚はないので、神社仏閣巡りもしませんし、海や山で遊ぶことも少ないし、鎌倉野菜にこだわりもありません(笑)。自然があっていいところだけど、湿気や虫が大変だから気軽には移住しない方がいいと思います(笑)。

企業向け研修にも引っ張りだこですが、息子さんとの時間はどのように確保しているのでしょうか。

仲山:最近、「働き方」がテーマのイベントに呼ばれることが増えたのですが、平日夜の開催がほとんどなので、帰宅は遅くなりがちです。

 でも、「夕食はできるだけ一緒に食べるようにする」といったルールや心掛けは、特にありません。「息子との時間を確保する」という概念自体、あまりないです。一緒にいるときは一緒にいて、別々のときは別々。

 というか、そもそも「親として子どもとたくさん関わってあげなきゃ」という感覚がありません。

 息子は自分の子どもではあるけれど、独立した1人の人間として捉えています。ルームシェアしている同居人みたいな存在というか。「ルームメイトとの時間を確保しなきゃ」なんて、あまり思いませんよね。