僕のことも妻が普段よく伝えてくれているおかげで、“叱りキャラ”になっても、ちゃんと子どもたちが受け取ってくれるのだと思います。

 あと共通点としては、“評価の基準”でしょうか。長女が初めて小学校の通知表をもらってきた時に驚いたんですよね。通知表の項目があまりにも、大人のマネジメントにも当てはまると思って。

 書かれていることはすごくシンプルなのですが、「約束を破らない」とか「人のために頑張れる」とか。「これ全部、経営に当てはまるな」と思わず写真を撮ったのを覚えています。

「自由に任せて」育てられた

ご自身の育てられ方から受けた影響はありますか。

沢木:それが、実は両親の教育方針はあまり参考にしていないかもしれません。

 唯一受け継いでいると思うのは、「自由に任せる」という方針です。僕は一人っ子でしたが、そこまで干渉されず、進学や留学など、自分で決めたことはなんでも応援してもらいました。

 旅行もいろんなところに連れて行ってもらい、新しい世界に踏み込む面白さを自然と教えてもらっていました。そういう積み重ねがあったから、起業への心理的ハードルも感じなかったのだと思います。

 僕をいつでも信じて任せてくれた両親には感謝していますし、子どもたちも能動的に自分の人生を選び取れる大人に育ってほしいと思います。

 能動的であるかどうかはどんな環境でも可能だと思っていて、例えば「役所で働く」というと保守的に思われがちですが、役所の中でも能動的に楽しく働ける人はいくらでもいる。受動的な選択の結果か、能動的な選択の結果かが重要で、楽しく人生を切り開けるように、判断軸やモチベーションの源泉を育てる応援ができたら嬉しいですね。

過去にとらわれるのではなく、「これからどうありたいか」

将来の仕事選びには、どんなアドバイスをしたいですか。

沢木:過去の自分がどうであったかは気にせず、「これからどうありたいか」を前向きに考えた結果であれば、なんでもチャレンジしたほうがいいと言ってあげたいですね。

 大学生の就職活動にありがちなのが、たかだか20年生きただけの自己分析をして、その延長で職業を決めている。

 僕が思うに、過去に何をしてきたかはあまり重要ではなくて、これからの自分がどうありたいかだけを考えたらいい。なぜなら、仕事は未来のためにやり抜くものだから。

 過去の自分にとらわれて可能性を狭めるのではなくて、いつでも新しい自分をつくり出そうとしてほしい。僕自身もそういう生き方の手本でありたいと思っています。