妻への感謝が強まったのはもちろんですが、集中して子どもたちの成長に立ち会える時間を持てたことは、本当に良かったです。

 幼稚園の送り迎えをする中で、先生からフィードバックをもらえたりしたことで、子育てにおける視点が増えた気がします。あの経験があったことで、「子どもたちのいろんな顔を見つけていこう」というモチベーションも高まりました。

子育てと社員教育、共通点は…

大人のマネジメントとは違った、というのはどんな点でしょうか。

沢木:決定的に違うのは、理性の有無ですね。子どもは、「ママがいい」と思ったら、素直に「ママじゃなきゃイヤ!」と泣いて訴えますが、仕事で「あなたの言うことは聞きたくない!」と喚く人はいませんよね(笑)。

 でも、もしかすると違いはそれくらいで、根本の人育てという点では、「役割や責任を与えることで、人は成長する」のは大人も子どもも変わらない。
 うちの会社でも、自発的に役割を見つけて動ける組織づくりを大切にしています。明確なミッションに基づいて、自分がどう行動すればいいかを考えて役割を担い、仕事を成り立たせていく。いわゆるティール型の組織に近いと思います。最初から目指していたわけではないのですが、結果的にそうなっていますね。

会社が成長する中でも、ミッションを共有できる組織づくりには難しさもあると思います。

沢木:そうですね。お互いの信頼関係と善悪の価値観の共有が絶対条件になります。

 だから、エントリーマネジメントには、かなり力を注いでいます。何か自分で実現したい目標を持っている若い層とは、すごく相性がいいように思いますね。

経営と子育ての共通点として、ほかに感じることはありますか。

沢木:経営で生かせることは子育てにも生かせるし、逆もそうだと思っています。

 例えば会社経営においては、「心理的安全性」が大事だと最近言われていますが、家庭における心理的安全性を実現しようと思ったら、まずは夫婦が仲良く、お互いをリスペクトしている姿を子どもに見せることが大事かな、と。

 だから、うちでは子どもたちの前でできるだけイチャイチャしますし(笑)、夫婦のどちらかが不在の時には、あえて子どもたちの前で「ママがこんなことをしてくれたね」とポジティブに伝え合うといった心がけをしています。