「オトコが育児に参加するのが当たり前」の時代に変わりつつある。旬の経営者や学者、プロフェッショナルたちも、自らの育児方針や育休取得についてパブリックに言及することが増えてきた。優秀なリーダーたちは、我が子にどんな教育を与えようとしているのか。また自身はどう育てられたのか。そしてなぜ、育児について語り始めたのか。

 連載16回目に登場するのは、クラウド会計ソフト「freee」をリリースし、現在では導入事業所数が100万以上、3600超の金融機関・業務アプリケーションと連携するfreeeの佐々木大輔社長。夫婦とも多忙な毎日の中で、どのようにわが子を育てているのか、話を聞いた。今回はその前編。

freee株式会社代表取締役CEO(最高経営責任者)佐々木大輔(ささき・だいすけ)氏
1980年東京都生まれ。一橋大学商学部在学中に、スウェーデン・ストックホルム経済大学への留学と、インタースコープ(現マクロミル)でのインターンシップを経験。卒業後、博報堂に入社し、マーケティングプランナーとして戦略立案を担う。CLSAキャピタルパートナーズでの投資アナリストを経て、ALBERT執行役員CFOに就任。2008年よりGoogleに参画し、日本におけるマーケティング、日本およびアジア・パシフィック地域における中小企業向けマーケティング統括を担当する。12年7月、 freee株式会社を創業し、クラウド会計ソフト「freee」をリリース。現在、導入事業所数は100万以上、3600超の金融機関・業務アプリケーションと連携する。著書に『「3か月」の使い方で人生は変わる』(日本実業出版社)。取材時、37歳。都内在住。妻、2歳の長女との3人暮らし(取材日/2018年8月13日、インタビュー撮影/鈴木愛子、ほかも同じ)
本連載に登場した、気鋭のビジネスリーダーやプロフェッショナルなど10人の子育て論をまとめた『子育て経営学

2018年8月初めに、新たに65億円の資金調達を発表するなど、クラウドサービスの分野で成長著しい企業として注目されるfreee。創業者でありCEO(最高経営責任者)の佐々木さんは、どのように子育てと関わっているのでしょうか。

佐々木氏(以下、佐々木):2歳3カ月の娘がいます。妻は企業で人事の仕事をしていて忙しく、週末も採用イベントなどで家を空けることも多いので、週末は僕が“ワンオペ育児”になることも多いですね。

 とはいっても、平日は朝の保育園送りの時間くらいしか娘と一緒にいられないので、休日に娘と過ごせるのは楽しい時間です。最近は着替えも自分でできるようになったので、かなりラクになりました。

奥さんも夜遅くに帰宅されるとなると、平日の夜の育児はどのようにしているのでしょうか。

佐々木:平日はシッターさんに来てもらって、保育園のお迎えから夕食、入浴、寝かしつけまでを、お願いしています。

 娘は生後3カ月から保育園に通っていますし、普段はシッターさんとも親しんでいるので、人見知りしない性格に育っているような気がしますね。子どもはいろんな人を巻き込んで育てる方がいいだろうと、僕は考えています。

これからこんな経験をさせてみたい、という希望はありますか。

佐々木:なんだろうなぁ。基本的には、「本人が好きなようにやったらいい」という考えです。

 そもそも、今の時代は親が何か言おうと言うまいと、子どもが勝手に吸収する情報源が山ほどあります。

 僕の小さい頃は、ネットも自由に見られない時代だったから、家で過ごす時間にできることと言ったら、親から与えられるものしかなくて、繰り返し、「金曜ロードショー」のビデオを観せられて、飽き飽きしていました。

 触れられる情報が限られていたから仕方なかった。そういうムダな時間って、通算5年分くらいあったような気がしますね(笑)。

 今の子どもたちは環境がまるで違っていて、「YouTube」やApple Storeのオススメアプリとかから、なんでも好き勝手に興味を広げられます。それは、すごくいいことだと思います。

 インプットの源は無限だから、親が子どもに与える影響も、それほど大きくはないんじゃないかなと思うんですよね。