今日がパパのターニングポイント

 イベントの第二部では、ファザーリング・ジャパン代表理事の安藤哲也氏をパネラーに迎え、「ポストイクメン時代の父親像」をテーマとした議論が展開された。

宮本氏:安藤さんは、ファザーリング・ジャパンを12年前に立ち上げられて、全国津々浦々を行脚され活動されてきた。12年も前ですよ。

 そのファザーリング・ジャパンの一員として活躍されている方が、PtoCのパートナーである西村創一朗さんだったりする。これまでとは違った形でPtoCがにょきにょきと現れて、その両者が出会った。何かこれもまた時代の流れとしてすごく素敵なターニングポイントになると思っている。

安藤氏:ファザーリング・ジャパンを立ち上げたのが2006年。その前に自分の仕事が非常に忙しくなって、育児との両立に非常に悩んでいたんです。妻もフルタイムで働いていて、どうしようと。

 まだ「ワーク・ライフ・バランス」という言葉もなかった。自分でやるしかなかった。その時に、要するに仕事も育児も両方楽しめばいいんだ、とある意味開き直ったんですね。北欧やカナダの父親支援の取り組みを学んで、ネガティブではないメッセージが必要だと考えた。それで「ファザーリング=父親を楽しむ」という方向でこれまで進んできた。

 僕が『パパの極意』という書籍を書いたのが2008年。10年の時を経て『子育て経営学』という書籍が出ているというのはすごく僕も今日、感慨深いものがあるし、こういうイベントも昔はずっとファザーリング・ジャパンが主催してやっていた。今日はPtoCが主催してくれている。やっぱり時代が進んできたなという実感があります。

 二部では安藤氏に加え、PtoCメンバーである斎藤哲氏(オトナノセナカ共同代表)、同メンバーの沢木恵太氏(おかん代表取締役)も登壇。「理想の父親像とは何か」というテーマに対し、「男性の育児は質より量」(安藤氏)という持論が飛び交った。また、「保育園の送迎を近所の“パパ友達”とシェアする」「育児サービスをどんどん使う」「父親同士もSNSでつながり始めた」といった現代的な議論もなされた。

イベント第二部の登壇者。左から、沢木氏、斎藤氏、安藤氏、柴田氏、川元氏(写真:竹井 俊晴)
イベント第二部の登壇者。左から、沢木氏、斎藤氏、安藤氏、柴田氏、川元氏(写真:竹井 俊晴)

 日経ビジネスオンラインは本イベントと連携し、「未来の子育て」を徹底議論中。普遍的なテーマに加えて、上記イベントでも上がった「子育てのシェア」「育児サービス」についても議論する予定だ。

 本連載「僕らの子育て」が1冊の本になりました。新しい時代を担う若手経営者たちや、様々な業界のプロフェッショナルたちが、どのように「育児」と向き合っているのか。また子育てと仕事(組織運営や人材育成)との関係は――。

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