経営と子育てを同一線上で語る

イベント第一部の登壇者。左から、西村氏、宮本氏、柴田氏、川元氏(写真:竹井 俊晴)
イベント第一部の登壇者。左から、西村氏、宮本氏、柴田氏、川元氏(写真:竹井 俊晴)

柴田氏:当社では、子どもを連れてアポイントに行ってはいけないという会社とは契約しないというルールを設けているんです。

 当社では、この半年で6人ぐらい社員に子どもが生まれました。中には復帰したくても保育園に入れられないメンバーもいる。会社に連れてきても、アポイントのための外出がある。その2時間のために一時保育で預けるというのは非常に効率が悪い。だから社員の子どももアポに一緒に連れて行くんです。

宮本氏:日経ビジネスオンラインで連載している「僕らの子育て」で40代以下の経営者の男性にインタビューをしてみたいと思ったのは、この5年ぐらいで男性の子育てシーンがものすごく変わってきたから。自然体で子育てされている。恐らくSNSの普及が強く影響している。夫婦のパートナーシップも含めて、非常に新しい傾向が出てきている。

 取材してみた実感は、「経営」と「子育て」を同一線上で語る方が多いこと。それがすごく面白かった。

西村氏:今日参加していらっしゃる方を含め、仕事が好きだったり、仕事にやりがいを感じていたりする人は多い。ただ、今って仕事とプライベートの切り分けが難しいんですよね。

 FacebookやTwitter、LINEなどのSNSが浸透して、オンとオフの切り替えをパチっと切り替えられない。土日でもメッセが入る。プライベートでも仕事でもない、その中間のような内容のメッセが入る。家族とご飯を食べている途中にそのメッセにスマートフォンから返信していると、「また?」みたいな感じになる。

スマホはやっぱり(家庭内)エンゲージメントの大敵じゃないですか。だから僕は、家族で食事をしている時などはスマホを機内モードにします。プッシュ通知が来ないから。

 もっとも、こうした子育て世代の男性による活動はPtoCが元祖ではない。

 例えば「父親であることを楽しもう」の浸透を目的として2006年に設立されたNPO法人「ファザーリング・ジャパン」。年間300本を超える講演会・セミナーや、父親向けの講座、企業向けのコンサルティングなどを通して、父親の子育てを後押ししてきた。

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