「子育てシェア」に大きなビジネスチャンスが宿る

まさに“子育てシェア”の発想ですね。

重松:おっしゃるとおりで、事業ではスペースのシェアリングを提供していますが、私生活では育児のシェアリングを実践中です。いかに賢く、共に楽しみながら、みんながラクできるか。

 子育てシェアの分野は、ビジネスチャンスとしても大きいと実感しています。共働きがこれだけ増える一方で、まだまだ元気で活躍できる高齢者も増えていく。例えば、家事サポーターを1人か2人、同じマンションの住人でシェアリングする仕組みをつくれば、1対1の雇用関係を結ぶよりも、互いにメリットが大きいんじゃないか、とか。

住人専用のカーシェアリングサービスのように、家事シェアリングもできる、と。確かに需要がありそうです。「地域で子育て」というコンセプトは昔から言われてきたことですが、それが本当に実現可能となる仕組みはもっと提供できる、という提言ですね。

重松:テクノロジーの進化、個人の消費行動や価値観の変化という背景があって、シェアリングしやすい環境は整ってきています。従来よりも、子育てシェアがしやすい時代になってきている。これからは、その流れを加速すべきだと思います。

 一方で、「持ちつ持たれつ」の意識は大事なので、人にお願いするよりも前に、まず自分から「やろうか」と言うように心がけています。

バリバリ活躍する女性と結婚したかった

男性経営者でここまで育児に関わる人は、20年前にはほとんど見られなかったと思います。重松さんを育児に向かわせている原体験は何でしょう。

重松:両親が共働きで二人とも教師をやっていたという背景は大きいかもしれません。教師は男女対等の文化ですし、母親は定年まで勤め、4人兄弟の子育てに父親も積極的な環境で育ちました。今でも母は「うちのお父さんは、元祖イクメンだった」と自慢しています。

 そういう家庭環境で育ったベースがあった上で、最初に就職したNTT東日本も女性が活躍している職場でした。管理職として活躍する女性の先輩も結構いて、話を聞いてみると、お子さんにしっかりとした教育環境を与えていたりと、豊かな生活を送っていらしたんです。

 「こういう家庭がこれからのスタンダードになるだろう」という予測がつきましたし、僕自身もそういう家庭を目指したいと思いました。だから「バリバリ活躍している女性と結婚したい」という願望はありました。

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