「オトコが育児に参加するのが当たり前」の時代に変わりつつある。旬の経営者や学者、プロフェッショナルたちも、自らの育児方針や育休取得についてパブリックに言及することが増えてきた。優秀なリーダーたちは、我が子にどんな教育を与えようとしているのか。また自身はどう育てられたのか。そしてなぜ、育児について語り始めたのか。

 連載5回目に登場するのは、体験ギフトの企画販売会社ソウ・エクスペリエンスを展開する西村琢氏。「コト消費」の提案型企業として、また子連れ出勤や社員の社外活動の“体験”を応援する助成制度など働き方の面でも注目される西村氏は、普段、どのように育児に当たっているのか。今回はその前編。

西村琢(にしむら・たく)
ソウ・エクスペリエンス代表取締役。1981年東京都生まれ。慶応義塾大学経済学部在学中の2003年に、松下電器産業(現・パナソニック)のビジネスプランコンテストで優勝。出資を受ける権利を得るも、自ら起業する道を選び、大学卒業後の2005年に体験ギフトの企画販売会社ソウ・エクスペリエンスを設立。2016年には年間出荷数10万個を突破。「コト消費」の提案型企業として、また子連れ出勤や社員の社外活動の“体験”を応援する助成制度など働き方の面でも注目される。取材時、36歳。神奈川県在住。食品プロデュースなどを手掛ける妻、7歳の長男、4歳の次男の4人暮らし(取材日/2018年4月11日、インタビュー撮影/鈴木愛子、ほかも同じ)

レジャーやホテルサービスのチケットなど、「体験型のギフト」で成長を続けているソウ・エクスペリエンス。その代表の西村さんも、“体で験(ため)す”をモットーにした子育てを行なっていると聞きました。普段はどのように育児に関わっているのですか。

西村氏(以下、西村):子どもは2人。小学2年生と保育園年中クラスの、どちらも男の子です。僕にとって育児は、自分自身の生活と切り離せないもので、「育児への協力」や「育児参加」という言葉に違和感を覚えるくらい自然な営みになっています。

 4年前に東京・世田谷から神奈川・葉山に移り住み、1年前に逗子に引っ越しました。朝起きたら子どもたちを着替えさせて、一緒にご飯を食べて、保育園や小学校に送り届け、平日夜は特別な予定が入らない限り、家族全員で夕食を食べ、子どもたちと一緒にお風呂に入ります。

 4歳児のトイレの後のお尻を拭いたり、歯磨きに付き添って布団に入ったりするのが、当たり前の日常になっています。妻は、地域の仲間と共に食関係の事業をやっていて、僕と同じくらい忙しくしている。ですから、お互いに、適宜できることを分担しながら、掃除・洗濯など家事もしています。ただ、僕は料理だけはあまり得意ではないので、妻に任せています。

それほど育児にコミットするようになったきっかけは。

西村:「子どもと過ごす時間がほとんどなかった」という後悔話は、親世代の先輩方から飽きるほど聞いてきました。こんなに世の中が豊かになった今、同じ後悔は繰り返したくない。それが、豊かな社会を実現してくれた先人への敬意の示し方ではないかと僕は思っています。

 何より、育児は楽しいし、子どもたちの成長に関わるのは僕にとっての喜びだからです。