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 ユニー・ファミマHD相談役、上田準二さんの「お悩み相談」。今回は、課長に昇格した女性から。部下の育成に追われ自分がやりたい仕事ができなくなったと悩んでいます。上田さんは「部下は勝手に育つ、プレーイングマネジャーになれ」とアドバイスします。

悩み:課長を拝命し、4人の部下ができました。しかし、部下の育成やフォローに追われ、仕事がつまらなくてたまりません。

 いつも楽しく拝見しています。間もなく入社3年目、今年1月より課長を拝命し、年上も含めた4人の部下(降格された前任課長も含みますが、関係は良好な方だと思います。間もなく1人増員予定)と日々奮闘しています。

 前職はメーカーで秘書をしていましたが、航空管制官のような仕事ではなく、自分も飛行機になりたい、そして自分で動くなら地元のために働きたいという一心からUターンしました。課長就任前は、じっくり地域に入り込み、仕事ができる状況でしたが、この半年、部下の育成やフォローに追われ、仕事がつまらなくてたまりません。

 自分が動きたいと思うのはエゴであり、管理職としての責務に反すると分かっていても、部下を通して事業が実現すればよい、部下が育ってくれれば、というレベルにまでは恥ずかしながら自分自身が達しておらず、毎日忙しく過ごしているわりには何をしているのかわからなくなってしまいました。

 夫や家族は全力でサポートしてくれるので、なんとかバランスを保ってはいるものの、このままやりたい仕事ができないならば、会社からの期待や管理職としての責務はあれど、転職すべきではないかとも思うのですが、このような悩みはわがままでしょうか。

 なんとか割り切って踏ん張るべきか、次に行くべきか、上田さんならどうお考えになりますか。アドバイスいただければ幸いです。よろしくお願いします。

(34歳 女性 会社員)

大竹剛(日経ビジネス 編集):先週まで、10月に実施した上田さんの“リアル相談室”の模様を掲載してきましたが、今週からいつものお悩み相談に戻ります。上田さん、読者との直接対話はいかがでしたか?

上田準二(ユニー・ファミリーマートホールディングス相談役):皆さん、いろいろな悩みを抱えているのだなと、改めて実感しましたよ。だけど、このことだけは皆さんに心にとめておいていただきたいな。

1946年秋田県生まれ。山形大学を卒業後、70年に伊藤忠商事に入社。畜産部長や関連会社プリマハム取締役を経て、99年に食料部門長補佐兼CVS事業部長に。2000年5月にファミリーマートに移り、2002年に代表取締役社長に就任。2013年に代表取締役会長となり、ユニーグループとの経営統合を主導。2016年9月、新しく設立したユニー・ファミリーマートホールディングスの代表取締役社長に就任。2017年3月から同社取締役相談役。同年5月に取締役を退任。趣味は麻雀、料理、釣り、ゴルフ、読書など。料理の腕前はプロ顔負け。(写真:的野弘路)

 悩みというのは、後から過ぎ去って考えてみれば、こんなことで悩んでいたのかということの方が多いと思います。僕自身もいろいろな相談を受けて、自分と同じことで悩んでいるんだな、自分もそう悩んでいたなと、思い出しました。

 だけど、振り返ってみると、悩みがあっての人生で、また乗り越えられない悩みなんていうのは、僕はないと思っています。基本的にね。

 悩んでいるときには1回自分を外に置いて、見つめ直してみることが大切です。悩みからの脱却は簡単なことだと思ってください。この悩みから抜けられないとか、何で私だけがこんな目に遭うとか、そう思って自分を追い込んでいくと抜け出せなくなってしまう。だから、簡単に抜け出せるんだと。

 

 ようするに、「元気、勇気、夢」ですよ。

大竹:「元気、勇気、夢」と鏡の前で唱えると悩みなんか吹っ飛ぶと。

上田:そうです。私がファミリーマートの社長になったときも、悩める社員がものすごく多かったですよ。社員にどうやったら元気に、はつらつと働いてもらえるかなと考えました。そこで生まれたのが、「元気、勇気、夢」です。元気があれば、勇気がわいてきて、そして夢を持てるようになる、ってね。

 でも、そう思うのは、そんな簡単なものじゃないと思う人もいるでしょう。そんな簡単なことで悩みを解決できるんだったら、そもそも悩まないぞと。

 だけど、仕事から帰って夜寝る前や、朝歯を磨きながらでも、「元気、勇気、夢」と3回唱えてみてください。1週間、2週間やっていると、自然と「私は元気だ」と思うようになりますから。