川の流れの真ん中に、自然体で堂々と出て行け

大竹:上田さんの周りにも、流れるのがうまい人はいますか。

上田:こういう生き方を見事にやっている人がいるよ。

 「おい上田、俺なんかもう50歳過ぎたけど課長にもならなかった」と言うから、僕は「いいじゃないの、お前が一番幸せそうに見えるで」と言ったんだ。そうしたら、「そうなんだよ、俺は幸せなんだ」と言って笑うんだよ。

 40代の後輩が課長になって、追い越されても全然気にしない。課長はその人をどう見ているかといったら、仕事の流れから何から、過去の経緯も含めて細部まで知っているので、若い課長さんが「これはやばいんじゃないかな」と思うようなことがあったら、必ず相談に来るわけ。そうしたら、その人は見事なアドバイスをしているのよね。

 それできっちりと会社人生をやり遂げて、定年退職した。こういう人間はね、定年後がアクティブなんだ(笑)。以前にも相談があったよね。同窓会に行くとみんな同期が偉く見えるとかなんとか、そんな内容だったよね。だけど、違うんだよ。定年後の世界は、彼らの方が主流だから。

大竹:「どう生きる?定年退職男が悩む『終活』の実態」の回ですね。この相談は大変多くの読者に読まれました。

上田:そうでしょう。課長になれるのは、全サラリーマンの何パーセントか。部長はさらに少なく、役員になったらもう、全サラリーマンの0.何パーセントの世界でしょう。そんな狭い世界で、私は出世が遅れているとか、ステップアップしてないとか悩んでも、仕方がないよね。むしろ、今いるところで、最大ベストの努力を尽くすとは何なのかを考えたらいい。

大竹:50代というと、そろそろ定年も意識し始めるころでしょうか。

上田:だけど、53歳の女性ってのは、まだまだ若いよ。バリバリや(笑)。70歳のじいさんが言っているんだから、間違いない。

 だから今、周りに彼女よりも若い人がいたとしても、彼らに深く入り込んで一緒にバリバリやったらいいよ。体力的にしんどいと言っているけど、それは精神的なところから来るものが大きいんじゃないかな。流れに逆らっているから疲れるのであって、流れに任せてしまえば、バリバリと本来の力を発揮できるのではないかな。

 以前は役職者だったとか、役職者だったけど希望して営業へ来たのよとか、そういうことを言うんじゃなくて、もう若い社員と同じ目線、同じ世界で一緒に仕事をしましょうよ。

 そうすることによって、かつて体得した営業の勘所も思い出すだろうし、周りの人もやっぱり彼女はすごいよねって認めてくれるはず。川べりのゴミがいっぱいたまった淀みでグルグルと悩んでいてはダメ。川の流れの真ん中に、堂々と出ていきましょう。

大竹:川の流れの真ん中に入っていくのは、勇気も必要そうです。

上田:いや、そんな深く考えなくていいんだよ。自然体で出ていけば、不思議なほどきっちりはまるものだから。それが、川の流れというものなんじゃないの。

年内の掲載は今回が最後です。今年1年、ご愛読ありがとうございました。
新年は1月10日(水)からスタートします。良いお年をお迎え下さい。

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12/15ウェビナー開催、「外食を救うのは誰か」第1回――すかいらーく創業者の横川氏が登壇

 新型コロナウイルスの感染拡大から3年目となり、外食店に客足が戻りつつあります。一方、大手チェーンが相次ぎ店舗閉鎖を決定するなど、外食産業の苦境に終わりは見えません。どうすれば活気を取り戻せるのか、幅広い取材を通じて課題を解剖したのが、書籍『外食を救うのは誰か』です。
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■日程:12月15日(木)19:00~20:00(予定)
■テーマ:「安売りが外食苦境の根源だ」ファミレスをつくった男が激白
■講師:横川竟氏(すかいらーく創業者、高倉町珈琲会長)、神山泉氏(外食経営雑誌『フードビズ』主幹)
■モデレーター:鷲尾龍一(日経ビジネス記者)
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