「手を抜く」「逃げる」「サボる」はやってはいけない

上田:子供のころを振り返ってごらんよ。親にバカ、アホと言われたら、「いいんだ、どうせ俺なんか・・・・・・」と、そういう気持ちになったことは、誰だってあるでしょう。

 だけど、それで落ち込んじゃダメなんですよ。秘訣は、「どうせ俺は・・・・・・」と思っても、「どうせ俺はバカなんだ」とは考えない。「どうせ・・・・・・」という意味は、「俺の今の精いっぱいがそれだ」と割り切るということが大切なんだな。逆に、落ち込むというのは、心のどこかに精いっぱいやってなかったということに対する後ろめたさがあるからでしょう。「手を抜いたのかな」「何であそこで逃げたのかな」「サボったのかな」と、こういうことに対して落ち込むんだよ。

 だから、「手を抜く」「逃げる」「サボる」はやってはいけない。

大竹:上田さんにもあるんですねぇ、「ああ、逃げちゃった」と落ち込んだ経験が。

上田:うん、ある。ああ、あそこで逃げちゃったな、手を抜いちゃったなと。これが一番後で悩むことだよ。そうでなければ、悩むことなんかない。だって、そもそも、人それぞれ個性や能力は違うわけで、それによって結果だって違ってくる。その結果が、評価なり収入なりにつながってくることもあるわけだけど、それに関してはもう、しょうがないじゃない。だって、自分は自分。周りとは違うんだから。

 「俺は出世しなかった」とか「ステップアップできなかった」とか「何でボーナスが低いんだ」とか、そんなこと言ったって始まらない。そんなことは言わない。言うと余計、自分が負のバイオリズムに落ちていく。

大竹:「手を抜く」「逃げる」「サボる」。これが上田さんの「負のバイオリズムを招く3条件」なんですね。そこに陥らないように、どういうことを心掛けたらいいのでしょうか。

上田:僕はずっと、チームの人に分かりやすく、きれいに、「元気、勇気、夢」と言ってきた。元気、勇気、夢。すべてはそれがつながっていくと。自分自身に、「元気を出せ」「勇気を出せ」「そうすれば夢が叶うんだ」と暗示をかけてきたんですよ。

 いろいろと怖いこともあったよね。取引先には怖い人はたくさんいたし(笑)。だけど逃げない。そうすると、しだいに夢が近寄ってきて、後で結果が付いてくる。昇進、昇格なんて言うけど、昇進、昇格が先にあって、その後に元気、勇気、夢が付いてくるんじゃない。元気、勇気、夢があって、運がよければ昇進や昇格が付いてくるんです。

 「どうして俺はあの同期より評価が悪いんだ」とか、「どうして同期が出世して俺はできないんだ」とか、そんなことを言っていたら負のバイオリズムが襲ってくるよ。飲みに行ったって、上司が悪いとか、そんな愚痴を言っているようでは、その時間もおカネも無駄だよね。愚痴を言い始めた途端、全て、他人のせいになっちゃう、つまり逃げにつながるんだよ。

大竹:なるほど。他人のせいにしないというのは、先日の上田さんの「学生は天動説、社会人は地動説」理論につながります。

上田:すべては自分の気持ち次第よと。負の悩みをずーっと持っているのは、人のせいにするからなんですよ。しっかりとした自分を持つこと。そうしたら、出世しなくたって悩むことがなくなるよ。

 よく、「会社が悪い」って、飲み屋でぐだぐた言っている人がいるでしょう。まあ、ときにはそうやって口に出してガスを抜くことも必要でしょう。だけど、一度ガスを抜いたら、自分を取り戻して、ちゃんとやらないと。

大竹:この2年目の女性も、まずは成果を出すことを焦らず、「手を抜かず」「逃げず」「サボらず」、勉強する気持ちでしっかりと目の前の仕事に打ち込んでみることですね。

上田:そうだよ。僕は、新しい事業や商品を生み出すのは、やりがいがある仕事だと思うぞ。

 競合他社から技術的に劣っていると言うけれど、だったら、競合他社との格差を縮め、追い越すには何をすべきか、考えてみたらどうですか。僕が「ファミチキを作ったるで」と思ったのも、当時のファミリーマートには魅力のある商品が少なかったからですよ。こんな会社のままだったら、なんぼチェーンを強化しろと言ったって、無理だよね。何か面白いこと、強い商品を作り出さないと。

 逆に言えば、自分の会社に今、強いところがないということは、それだけ強くなれるフィールドは広いということだ。こんな楽しい仕事はない。俺たちは何もない、というのは、それだけポテンシャルがあるということだからね。

 だから彼女も、いい環境の職場で頑張れたら本当にやりがいがあると思うけどな。

大竹:彼女自身、チャレンジできる恵まれた環境にいると言っていますしね。

上田:会社のせいにせず、まず自分を変えましょう。

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12/15ウェビナー開催、「外食を救うのは誰か」第1回――すかいらーく創業者の横川氏が登壇

 新型コロナウイルスの感染拡大から3年目となり、外食店に客足が戻りつつあります。一方、大手チェーンが相次ぎ店舗閉鎖を決定するなど、外食産業の苦境に終わりは見えません。どうすれば活気を取り戻せるのか、幅広い取材を通じて課題を解剖したのが、書籍『外食を救うのは誰か』です。
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■日程:12月15日(木)19:00~20:00(予定)
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