ユニー・ファミマHD相談役、上田準二さんの「お悩み相談」。今回は起業して間もない男性から。自社の製品への思いが強すぎるのか、営業に行くと押し売りのようになって相手に引かれて悩んでいます。営業の達人、上田さんのアドバイスは?
※10月23日に開催した「上田さんのリアル相談室」でのライブ相談の模様を再録しています。

大竹剛(日経ビジネス 編集):次は、会場にいらしていただいた皆さんからお悩みを募集したいと思います。上田さんに直接、悩みを相談したい方はいらっしゃいますか。
はい、最前列の男性の方。
男性:よろしくお願いします。僕は昨年起業したのですが、それまで事業会社で広報・PRの仕事をしていたときは自社の製品を客観的に理解して説明することができていたのですが、自分で事業をはじめてみると、なかなかうまくいきません。
お客さんのところに営業に行って自社のサービスについて話すとき、思い入れが強すぎるのか、どうしても客観的に話せないんです。お客さんから見れば、まるで押し売りみたいな感じになっているということが、最近やっと分かってきたんです。
商品や仕事に思い入れがあるのは重要だと思う一方で、なかなか自分のことを客観視できないときはどうしたらいいのでしょうか。特に、人に話をするときに客観的にアピールしていくにはどうしたらいいか、アドバイスをお願いします。
大竹:思い込みではなくて、お客さんに客観的にアピールして説得するにはどうしたらいいかということですね。百戦錬磨の営業を経験してきた上田さんは、どう思いますか。
上田準二(ユニー・ファミリーマートホールディングス相談役):お客さんのところに行くときには、アポを取ってから会いに行っているんだよね。

男性:はい。
上田:そうすると、あなたがやっている事業について、そのお客さんには聞いてみようという気持ちがあるわけですよ。そもそも、多くの場合、ベンチャー企業の方が売り込みに行っても、なかなか会ってくれないですよ。
男性:確かに、会ってくれないケースの方が多いです。
上田:だけど、会ってくれるということは、最初の大きな関門を突破しているわけです。あなたが何を売り込もうとしているのか、事前にいろいろ資料なり話なりをまずしているわけですよね。それは、お客さんにとって興味がある話なんです。
さて、それをずっと最後まで聞いてくれるかどうかというのは、コミュニケーションの問題だね。
男性:話に熱が入りすぎて、だんだんお客さんがちょっと引いていっちゃう感じなんです。
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