ユニー・ファミリーマートHD相談役、上田準二さんの「お悩み相談」。今回は42歳の女性から。職場が遠く時短勤務だったが近々フルタイムに。家庭を考えると仕事を続けられるか悩んでいます。上田さんは「取るべき行動は明確」と言います。

悩み: 職場が遠いため、家族との時間を第一と考えて、これまで時間短縮で働いていました。しかし、近々、フルタイムに変わることになり、仕事を続けられるか悩んでいます。

 家に近い職場から、遠い職場へ異動になり4年になります。今までは時間短縮という形で働かせていただいておりましたが、近々フルタイムでの勤務に変わります。仕事内容につきましては、やりがいもあり、頑張らせていただいているのですが、これまで以上に通勤時間がかかるようになるため、家に割ける時間が限られてしまっております。

 わがままかもしれませんが、家族との時間を第一に考えたい自分がおりますので、転職を考えております。どうしたら良いでしょうか?

(42歳 女性 会社員)

1946年秋田県生まれ。山形大学を卒業後、70年に伊藤忠商事に入社。畜産部長や関連会社プリマハム取締役を経て、99年に食料部門長補佐兼CVS事業部長に。2000年5月にファミリーマートに移り、2002年に代表取締役社長に就任。2013年に代表取締役会長となり、ユニーグループとの経営統合を主導。2016年9月、新しく設立したユニー・ファミリーマートホールディングスの代表取締役社長に就任。2017年3月から同社取締役相談役。同年5月に取締役を退任。趣味は麻雀、料理、釣り、ゴルフ、読書など。料理の腕前はプロ顔負け。(写真:的野弘路)

上田準二(ユニー・ファミリーマートホールディングス相談役):やっぱりこういう悩みを抱えている人が多いんだね。家庭の在り方、仕事の仕方……。僕らの時代には、こういうのは、あんまり悩みのうちには入らなかったな(笑)。全部、自分で決断できる話が多いよね。だいたい、上司にそんなこと言っても、「何を言っているんだ、仕事をせえ」なんて言われたもんだ。「仕事がうまくいったら家庭もうまくいくんや」なんてね。

大竹剛(日経ビジネス 編集):上田さん、そう言うとこのコラムが終わっちゃいます。時代は変わったんですよ。でも、こうやって読者の方からたくさんの相談をいただくということは、上司にも、親にも、直接相談しにくいので、こうやって上田さんに悩みを打ち明けてくるのだと思います。

上田:そうだね。では、今回の相談に行くとしようかね。

大竹:よろしくお願いします。

上田:彼女はね、自分が今一番こうあるべきだという価値観の優先順位は、もう既に決まっているんだよ。家族の方を大事にしたい。だけど今の職場はやりがいもある。つまり、家族を大事にしたいというのが、まず優先順位の一番だね。それで2番目がやりがいのある職場というわけだ。どちらかというと、職場はやりがいがないという人が多い中で、やりがいがあると言うのは素晴らしい。だけど、それがフルタイムだったら、転職したいと考えている。であれば、彼女が取る行動は1つだよ。

大竹:なんでしょうか。

上田:まず、会社に、私は「これまで時間短縮で一生懸命頑張らせていただきました。ただ、家族のことを考えるとフルタイムでは続けられません。なんとか、ご配慮いただけませんか」と聞いてみるしかない。

大竹:まず、自分が置かれている状況を、素直に伝えてみると。

上田:そう。先ほどの問いに応えてくれる会社なのかどうか、まず聞いてみないことには、次の行動に移せないよね。それでオーケーならばそこで解決。すべてノーということなのであれば、週に1日か2日、業務量が多くなる日には、なんとかフルタイムでやってみるとか、そういう次の交渉ができるわけでしょう。だから、まず、自分がどうしたいと思っているのか、会社に伝えてみるのが第一だよ。

 「仕事が重くなる週に1日、あるいは2日は時間延長で何とかやれるかもしれませんが、とにかくフルタイムは無理です」とまず言ってみることだよね。彼女がやりがいがあると言っているくらいだから、この会社は、そういうふうにはっきり言われれば、じゃあ、辞めてくれとは言わない会社だなと思うんだよね。