30年前に「立ち会議」「会議室有料化」を提案

1946年秋田県生まれ。山形大学を卒業後、70年に伊藤忠商事に入社。畜産部長や関連会社プリマハム取締役を経て、99年に食料部門長補佐兼CVS事業部長に。2000年5月にファミリーマートに移り、2002年に代表取締役社長に就任。2013年に代表取締役会長となり、ユニーグループとの経営統合を主導。2016年9月、新しく設立したユニー・ファミリーマートホールディングスの代表取締役社長に就任。2017年3月から同社取締役相談役。同年5月に取締役を退任。趣味は麻雀、料理、釣り、ゴルフ、読書など。料理の腕前はプロ顔負け。(写真:的野弘路)
1946年秋田県生まれ。山形大学を卒業後、70年に伊藤忠商事に入社。畜産部長や関連会社プリマハム取締役を経て、99年に食料部門長補佐兼CVS事業部長に。2000年5月にファミリーマートに移り、2002年に代表取締役社長に就任。2013年に代表取締役会長となり、ユニーグループとの経営統合を主導。2016年9月、新しく設立したユニー・ファミリーマートホールディングスの代表取締役社長に就任。2017年3月から同社取締役相談役。同年5月に取締役を退任。趣味は麻雀、料理、釣り、ゴルフ、読書など。料理の腕前はプロ顔負け。(写真:的野弘路)

上田:ええ。いつの世も同じですが、職場環境の改善と同時にコスト削減を担当することになりましてね。総務の担当課長とどうするか、考えたんです。机が大き過ぎる、机の数も多過ぎるとか言ってね。もう30年ほども前の話です。

 机の数は半分といったら言いすぎかもしれないけれど、最低でも3分の1は減らせるはずと考えて、フリーデスクを提案しました。例えば、10人の課であれば、フリーデスクで8人分しか机を用意しないといった感じにね。

 キャビネットにはローラーを付けて動かせるようにして、退社するときにはキャビネットをロッカー室に戻すようにして。そうすると10人のところに8人のスペースしかないですから、2人はあふれますよね。

 でも、朝から晩まで全員がデスクに座っているわけではありません。外へ営業に出たり、管理部門でもどこかに会議に出かけたりしています。そう考えると、全員分のデスクなんて必要ありませんよねと。

 ただ、自分の書類などを収納する場所は必要だろうから、キャビネットは10個用意してあげるけど、キャビネットは使うときだけロッカー室から持ってくるようにする。

 そんな仕組みを提案したら、もう周囲は大反対でしたよ。

大竹:最近でいうフリーアドレスのようなオフィスですね。

上田:そうそう。

大竹:もう30年以上の前に、上田さんは提案していた(笑)。

上田:それに、会議も多過ぎないかと。しかも長過ぎる。会議室のデスクといすを全部撤去したらどうかとも提案しました。そうすると、立って会議をするしかないから、会議の頻度も時間も減ると思ってね。これも猛反発にあいました(笑)。

 長くやらなければいけない会議もあるという意見が多かったから、それなら、というわけで、会議室の有料制を提案しました。1時間1万円とか(笑)。広い講堂のような場所でやる場合は、スペースに課金しました。何平米1万円とか。そうすると、例えば大会議室を借りようとすると、1回60万円くらいかかります。費用は会議室を使った部署に経費として割り振るわけです。これも猛反対(笑)。

 それでも、会社に認めてもらおうと思って、総務課長と一緒に総務部長のところに話に行って、いろいろと試算をして説得しました。これらの取り組みを実施すると、ざっくり年間数億円の家賃収入が得られるようになりますとね。

 しかも、空いたスペースにグループ会社などに入ってもらったり、貸会議室にしたりすれば、一石二鳥ですと(笑)。

 総務課長から総務部長に提案を上げて、それを業務本部長にも上げて、そこから経営会議にかけてもらう。そこで決定されれば社長方針になりますから、トップダウンで実行される。現場に不満があろうがなかろうが、そうなったら実行するしかありません。そもそも、説明しても周囲に理解してもらえない時は、そうやってトップダウンで進めてもらうしかありませんよ。

 この相談者も、上司も共感してくれると言っているんだから、二人三脚でトップダウンで方針を出してもらうように動いてはどうですか。社内が全然理解してくれないという状況の中でいつまでやっても、仕事の成果は出ませんよ。そもそも、こういう仕事は社内の理解をあまり得られるものではありません。だから、「会社としてやるんだ」という方向に持っていく仕事をしなければいけないと思います。

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