ユニー・ファミリーマートHD相談役、上田準二さんの「お悩み相談」。今回は、コンプライアンスなどを担当する40歳の女性から。会社では目を光らせる立場ながら、私生活ではクレーマーになる誘惑に駆られています。そんな相談者に上田さんは、「人好きなあなたは恋をすべき」と助言します。「クレーマー」と「恋」の関係とは?
初めまして。上田さんの相談に巡り合い、元気をもらいました。ありがとうございます。さて、私は中小企業の法務部で管理職をしています。業務の一つとして、コンプライアンスを推進する仕事もあります。しかし、当の本人が、コンプライアンス違反の誘惑に駆られています。
それは、嫌がらせの誘惑です。先日、とある有名ブロガーさんに対して、自分の意見をコメントしました。しかし、批判的とみられたのか、コメントが削除されてしまいました。何度か、コメントしても、同じでした。拒絶されたことで、相手を攻撃したい気持ちが芽生えました。
ブログやメールでは、相手に響かないかもしれない、と批判や陳情といった手紙を何枚もしたためました。今のところ、精いっぱいの自制心をもって、その手紙は投函しておりません。でも、このままですと、怒りが収まりません。
そのブロガーさんと私は、実生活での接点はありませんので、私が見切りをつけることが解決策なのはわかっていますが、どうにも気持ちがまとまりません。どうしたらよいでしょうか。よろしくお願いいたします。
(40歳 女性 会社員)

大竹剛(日経ビジネス 編集):今回は、なかなか衝撃的な相談です。コンプライアンス担当者が、コンプラ違反の誘惑にかられているという告白です。社内でコンプラ違反に目を光らせているんだけれども、実はこの相談者自身が、有名ブロガーに対して嫌がらせをしたいと。有名ブロガーに自分の意見をコメントしたそうですが、削除されて怒ったんでしょう。はらわたが煮えくり返るぐらい怒っているのかもしれません。この気持ちどうしたらいいでしょうかという相談ですが、上田さん、何かいいアドバイスはありますでしょうか。
上田準二(ユニー・ファミリーマートホールディングス相談役):この方、女性ですか。
大竹:はい、40歳の女性です。
上田:ずいぶんと、ねちっこい方だね。
大竹:ここまで恨みを抱くというのは、なかなか怖いですね、相談内容には書いてありませんでしたが、日々、社内でコンプラ違反に目を光らせていて、ちょっとストレスがたまってしまっているのかもしれません。
上田:どうだろうな。僕はむしろ、彼女はいろいろな人に興味がある方だと思うんだ。
大竹:人に興味がある、ですか?
上田:そう。この方は、表面的にはこのブロガーに怒っているんだけど、実は、このブロガーのことが好きなんですよ、彼女は。そういうブログなんか見ていて、そのブロガーにまずぐっと入り込む、人を好きになりやすいタイプなんだ。ということは、そのブロガーを好きになっていたんだよ。
大竹:なるほど。
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