上田:だけど、もう70歳ですよ。バリバリ働き続けるのも厳しくなっていくでしょう。だから、例えばパートとして、アシスタントのような仕事で残ってもらってもいいでしょう。むしろ、仕事そのものをバリバリやりたいというのではなくて、この会社に居続けたいという気持ちが強いのなら、そういう選択肢もあるでしょう。

「昭和スタイル」の会話術に挑戦を

大竹:そうなったら、この方を小娘扱いしたり、意地悪なことを言ったりということはなくなるのでしょうか。

上田:どうだろうね。なくなるかもしれないし、なくならないかもしれない。

 だけど、仕事をあなたが引き継がなければならないのは確かだから、そのうえで、このパートの方といい関係を今後も築いていくためには、あなたもコミュニケーションをもっとうまくやることを考えたほうがいいでしょう。

大竹:どんなやり方がありますか。むしろこの方も、仕事のやり方はともかく、コミュニケーションのやり方で“昭和スタイル“を積極的に取り入れていくとか。

上田:それもいいと思う。意外とこういう長く勤めている方は、実は世話好きも多いと思う。だって、社長をずっと世話してきたわけだから。「ちょっとお茶にしましょう」とか言って、ようかんでもミカンでも、さりげなく一緒に食べてみるとか。

 仕事を教えてもらうことは期待せず、自分で努力して覚えていくんだけど、それ以外のところで彼女との会話を楽しむことを少しずつやってみてはどうかな。

 パートの方にとっては、本当はあなたは娘みたいな存在のはずだよ。だからこそ、嫌みの一つも言いたくなる、というところもあるのかもしれない。

 

 だから、ちょっとした会話にも気配りをしてあげてみてください。入社してすでに3年がたっているということだから、これまでの状況を急には変えられないかもしれない。だけど、彼女は20年以上もこの会社に貢献してくれたわけだから、敬意を表さないと。何だかんだ、職場を離れた上での付き合いをうまくできるようにしていくことが、きっと、いざ仕事を完全に引き継ぐ際に役に立つよ。

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